Neetel Inside 文芸新都
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文化的日本鎖国
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―――第一検閲対象区域(旧秋葉原地区)


ここはかつて「秋葉原」と呼ばれた場所。
異文化が交差し、多数の外国人観光客も訪れ日本の観光地と化していた。
だが、現在はサブカルチャー検閲委員会の管轄化のもと、監視網が整備されており、立ち入ることはできない。

なぜこうなったのか?
それは2年前のことだった。

国が腐れきったころ、日本は民主主義の軍事国家になり、国連からも脱退して完全に独立国家と成り果てた。
そして、異文化の排除を行う為「鎖国」をした。
国外に渡航する者は殺され、日本に侵入する航空機、船舶は撃墜された。
インターネットも検閲され、政府への誹謗・中傷文を書いたり、海外のウェブサイトに接続しようとすると検閲対象者と見なされ、刑務所行きになる。
この鎖国状態に意義を唱える者も多数居たが、政府によって消された。

鎖国を始めて2ヵ月後、「異文化の排除」を目的に、
政府はアニメ、マンガ、ゲームなどのサブカルチャー文化を規制するようになった。
これに反発したオタク共は反政府デモを繰り返したが、国会により「サブカルチャー禁止法案」を設立され、政府は「サブカルチャー検閲委員会(通称:SCC)」を立ち上げた。
検閲に反発する者には例外無く武力の使用も許可され、オタクは制圧されつつあった。

そして、2067年4月13日、事件は起こった。
SCCは秋葉原・池袋・中野などの主要なオタク街の制圧を目的とした、
「サブカルチャー一斉弾圧計画」を行い、反発した300人以上のデモ隊がライフルによって射殺され死人が出る被害となった。
そして、この3地域はSCCの管轄化に置かれ、
秋葉原は「第一検閲対象区域」、池袋は「第二検閲対象区域」、中野は「第三検閲対象区域」となり、一帯は立ち入りを厳しく制限され、現在に至る。

この状態を打開すべく有志達が集まって設立された集団「文化防衛隊」による激しい戦闘によって旧中野地区は取り戻されつつあるが、いつ戦闘が始まるかわからない緊迫した状態なのである。
政府は文化を認めるか、それとも否定するか、決断を迫られている。

       

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