Neetel Inside 文芸新都
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「次は~練馬~練馬~お下りの方は~お忘れ物のないように~お願いします」
練馬。僕が住んでいる場所だ。僕は席からたちドアの前にたった。
「ぷしゅー」 
という音が鳴りドアが開く。
僕は一目散に出た。改札口に向かって走る。
切符があるポケットに手を伸ばす。しかし、切符がない。
「あれ?」
左ポケット、右ポケット、バッグの中・・・・。
どこを探してもない。後ろを振り向くと待っている人がにらんできた。
「あはははは・・・・。」
僕は後ろに行った。
「近頃の若いモンは・・・・。」
何か言っているが今はそんな暇はない。
もう一度探すがどこにもない。
額に汗が出てくる。何しろさっきのメモ帳でお金は残っていないのだ。
僕はとりあえずトイレに向かった。その中でどうするか考えるのだ。
「どうする。金はない。あるのはバッグとメモ帳のみ・・・・。」
!そうだ、メモ帳があったのだ。もしかしたらこのメモ帳。伝説のメモ帳かもしれない。
袋に触ってみる。さっきとは違い普通の紙だ。
僕はテープに手を伸ばしテープをはがす。
べりべりっという音がトイレの中に響く。
中を見てみる。
「The truth」
さっき女子高生が話していたものと同じように最初にTheがついている。
まさかとおもったが僕は確かめてみることにした。
僕は保管用ではないメモ帳に手を伸ばしバッグの中にある小さな鉛筆をとりそこにこう書いた。
「切符という制度がなくなる。」
(まぁ実現したらすごいな。)
とおもいながら僕はトイレから出た。
一瞬閃光が走った。僕は目をつぶってしまった。
何だ?とおもいながら目を開ける。
「!」
改札口がない。本当に何もないのだ。
僕は恐る恐る駅から出てみる。
「ちょっと~。お客さん!それは犯罪!若いくせに悪いことするのね~。」
「えっ!あ、そうですね~。間違えてました~。すいません、はははは・・・。」
僕は間違えたフリをしていたが内心はパニック状態で
えっ!マジかよ!どうすればいいんだよ!等と考えていた。
どうしようか・・・・。考えても策は出てこない。
そうだ!とりあえず券売機に行ってみよう。変わっているかもしれない。
・・・・。券売機の場所には一人の人が立っていた。片手にはんこを持っている。
「毎度~。こちらは~押し場でございま~す。」
(押し場?なんだそれは?)僕はそうおもいながらもそこに行った。
「まいど!手を出してください!」
僕は言われるがままに手を出した。
「ペタン!」
と音がすると僕の手の甲にうっすらとはんこの絵がついた。
その絵にはこう書かれていた。
「日本鉄道協会認定押しはんこ」
「はい!次の方~」
愛想を振りまきながら押し場の人間はそういった。

続く

       

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