Neetel Inside 文芸新都
表紙

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「いやー楽しかった。んじゃ又明日な」
「ああ、また」
大樹がさった。とても清々しい笑みを残して。
前は清々しい後姿の待大樹が。
後ろには惨劇。
さて、と。どうするか。
ぽちはメイド服を着ている。なんか喜んでるっぽいので後回し。
タマは冷たい視線を大樹に投げつけるので撃退に成功していたが元々和服のため大樹はご満悦の様子だった。
梓は無理やり着替えさせられた。もちろん俺たちの前ではなく部屋に閉じこもってだが。というかチャイナ服って犯罪じゃないのか。
しかし梓はかなりの美人で体型も素晴らしいのでよく映える。
うーーむ。綺麗だ。
「に、兄さん。あんまり見ないで下さい。その……恥ずかしいです……」
顔を赤らめてモジモジする姿は凄く可愛い。
大樹よ…………これが萌えか。萌えは……いいものだ!
しかし綺麗だなまったく。梓が俺の彼女だったら…………ってはぁ。俺もとうとう末期だ。やばいやばい。
「に、兄さんそんなに凝視しないで下さい……」
「あ、ああごめん。見惚れてた……って何言ってんだ俺! 今言った事は忘れろ!」
うわぁぁあ何口走ってんだ俺! 恥ずかしい…………。恥ずかしくて死ぬ。死にたい。首吊りたい。
「えっあ………その、私綺麗ですか?」
「うっあ、うん。物凄く」
「そう、ですか………… それじゃしばらくはこの姿でいます」
「えっ? えええええ!!??」
「兄さんが気に入ってくれたならまぁいいです。少し恥ずかしいですが」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!
何言ってんだ!
「いいよ! 最初の姿にしてくれ!」
「そうですか? 別に私はこの格好でも構いませんよ」
「いいって!」
「そうですか…………わかりました」
ふぅ。助かった(?) しかし梓はいったい何を考えているのやら……って何してるんだ?
「ん? 兄さんはチャイナ服より制服の方が好みというので」
「違うだろ……私服にしろ私服」
「ほう。私服ですか」
何考えてるのか全く分からないがまぁいい。疲れたし明日は早いから早く寝よう。
カチャ
ん? 今何かドアの鍵が開くような音が……。
バタン!
しまった。まさか……!
「和人! 大変だよ大変だよ!!」
「うわぁああ! 確かに大変だよお前が来て俺は大変だよ!」
「えーと何? それはもしかして私が好きで堪らないからいきなり来るのは心の準備が出来てなくて大変って事!?」
どう解釈したらそうなるのか。確かにいきなりお前が来たら心の準備できていないからパニックに陥るよ。だつて怖いもん!
「ってそんなことより悪魔が! 悪魔が来てるんだよ!!」
「は?」
遂に頭までおかしくなったか……精神病院へ行く事をお勧めするぜ。
しかしなにやら凛は必死だ。なんというか本当に俺の身を案じてくれている感じだ。うう。哀しいよ。普通の女の子だったら絶対付き合うよ。
「早く逃げなきゃ和人が悪魔にたべられちゃう!」
「兄さんがどうかしましたか?」
不意に唐突に会話に梓が入る。途端凛の顔が引きつりまるでこの世の最後を見るかのような感じで叫び声を上げた。
「ひぃぃいい! 悪魔が! 何でここに!?」
「悪魔? 私が? ふふふ。酷いですね先輩」
「先輩? もも、もしかしてまさか……」
「そのまさかですよ」
あ、失神した。
あ、復活した。
てか復活早ぇぇぇ!
「だ、駄目だよ……渡さないよ……絶対に渡さないんだからっ!!」
「何のことですか先輩?」
「和人は絶対に渡さないんだから……!」
っておいおい妹にまで嫉妬かよ。ないだろ常孝。 
「いったい何のことですかね?」
「うっ……もしかして和人この悪魔と一緒に暮らすの?」
「そうだけど」
つーか悪魔ってなんだよ。流石に酷いぞ。一応自慢の妹なんだからな。全国模試試験第一位だし超美人で町を歩けば振り返らない男は十人中零人だし少し不器用だけどとっても優しいんだぞ! ってなんだか俺が切なくなってきたのは何で?
「駄目駄目駄目駄目駄目! たべられちゃうよ!」
「いやいや。ないから。人間だから」
「どうしてもというなら私が今日からここに住む!」
え、えええええええええええええええ!!
「無理だろ! 明らかに!」
「大丈夫私は一人暮らしだから」
そ、そんなこといっても……。私もじゃなくて私はなところが少しというか物凄く虚しく感じる。俺は一人暮らしではない?
「だとしたら狭すぎますね……」
「うるさい悪魔は黙ってろ!」
いいかげんにしろ。隣に迷惑だ。ていうか俺に迷惑だ。物凄く。
「兄さん。先輩はこのままでは絶対に帰りませんでしょう。ですから私に提案がありますがよろしいですか」
「いやもちろんいいけど?」
「それでは三分間待っててください」
すると梓は携帯電話を取り出すと誰だか知らないが電話を始めた。
三分後。きっかりに終了。
「それでは準備は出来たので少し待っててください」
「は?」
数分後今度は引越し業者の方がきた。
「それではお荷物の方をよろしくお願いします」
「了解です」
ちょと待て。何が起きてるんだ?
クールになれ。COOLに、いやKOOLなれ三浦和人!
「それでは私たちも移動しましょう」
できるかぁぁ!
「どこに!?」
「引越し先です」

       

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