Neetel Inside 文芸新都
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「うぅー……ん?」
あれ? ここはどこだ?
周りを見渡す………事はできなかった。梓が抱きついていたからだ。
という事はここは梓の部屋だろう。しかし何故俺はここに寝てるんだ?
たぶん湿布を貼ってもらったんだろうけど。梓につれられて部屋に入ったところまでしか思い出せない。
記憶がないのは多分頭が痛いのと関係してるだろう。
とりあえず何とかして起きたい。
「梓、起きろ梓」
「ん………」
起きる気配無し。時計を見ると大して時間は経っていない。多分だけど。
まずは梓を引き剥がそう。
「梓ー起きろ。起きてくれ」
「ん……兄さん起きてたんですか?」
「ああ今さっき起きたところ」
「そうですか」
起きると直に梓どいてくれた。
抱き枕にされていたときとは偉い違いだ。
「なぁ俺何故か記憶がないんだけど。何で梓の部屋に居るんだ?」
「そうですか。兄さんは凛さんに包丁で襲われそうになったので避けたら滑って頭を打ったんですよ」
「なるほど。だから頭が痛むのか」
「ええ。ですから私が部屋まで運んで看病してたんです」
そうか………なんか色々世話になったんだな。
全く良くできた妹だ。それにしても凛は……。
「あれ? じゃあ何で俺はベットで梓の抱き枕になってたんだ?」
「それは寝ぼけた兄さんが私に抱きついて離さなかったんですよ」
「え? マジ?」
「ええ本当です」
やべぇ、やっちまったなぁ。
どうしよう。なんか人間的に駄目になった気がする。
なんとかして赦してもらわなければ。
「ど、とうしたら許してくれるんだ?」
「許す? ええ………そうですねそれじゃあ一つだけお願い事をさせていただきます」
「おう」
もう何があっても動じないぞ。
「毎日朝は私が起こしにいきます。いいですね?」
「えっ? もちろんいいけど…………そんなのでいいのか?」
「もちろんですけど、兄さんはもっとひどい事がお望みですか?」
「い、いいいや! もちろんそれでいいならそれでいいんだよ!」
物凄い拍子抜けしたがそれでいいのなら良い。
ていうかそれだけでお願いします。
「ふふ。それじゃあ、よろしくお願いしますね兄さん。勝手に起きちゃ駄目ですよ」
「ああ。わかってる」
「目覚し時計も処分しておきますからね」
「ええ!? 何で?」
おいおい。わざわざ捨てる事も無いだろう。
意外と慣れ親しんだ時計なんだ。愛着があったりするんだぞ。
「しかし処分させていただきますよ。勘違いなさらぬように言いますが兄さんに選択肢は無いですからね」
「はいすみませんでした」
くそぅ。まぁ別にいいんだけど。
なんだか又新たな波紋がきそうな気がする。

       

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