Neetel Inside 文芸新都
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ピーンポーン
「ぬおっっ!!」
玄関で燃やしていたので驚いて声を上げてしまった。
ていうか恥ずかしい。穴があったら埋めたい。
ん? 入りたいだっけか? どうでもいいいや。
「はいはーい」
とりあえずドアを開けよう。燃えているノートは放置だ。
「こんにちは理君」
「あ、久しぶりです」
目の前に居るのは背の高い真っ黒なスーツの男性。イケメンな。
彼は俺の従兄。変態である。
「いやぁ、ちょうど近くに来たから寄ったんだけど」
「そうですか。んじゃ水道水でも出しますね」
「お茶は出ないのかい?」
返事はせず台所に向う。後ろでは「おじゃましまーす」と聞こえるが俺以外今は誰もいない。
言ったとおり蛇口を捻ってコップに水をそそぐ。
別に従兄が嫌いではないがあれだ同類嫌悪とでも言うのか。
従兄は従妹が好きだ。だがなんと言うか気に入らない。基本的には会いたくないという人だ。
あれ? 嫌いなのかこれって。
「おーいお茶はまだかい?」
「ああ、どうぞ」
従妹に水道水が入った水を渡す。
「ねぇ? お茶じゃないよね水だよね」
「いいえ。水道水です」
「ハハハ………」
笑っているが目が笑っていない。なんつーか虚ろだ。
さてとノートはどうなったか見に行くか。

       

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