Neetel Inside 文芸新都
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「おはようございます理さん」
「えっと……おはよう聖」
俺が居間に行くといつもなら父と父しか見ていない母だけが居るはずだったのだが。
何故か聖が居た。
「兄さん……その女は何でここに居るのさ」
「お前はもう少し丁寧に喋れないのか」
弟が何時の間にか立っていた。俺の後ろにだ。
正直ちびりそうになった。まぁ、そんなことはどうでもいい。
何故ここに聖がいるかだ。
「理さん。いいんです。実はですね父と母がたまには息抜きもどうだといって夏休みなのでここに来させたんです」
「ほー。しかし家には今父さんも母さんも居ないぞ」
「ええ。驚きました。けど私こう見えて家事得意なんですよ」
にっこり笑って腕を叩く聖。普通上腕をたたきながら家事が得意って言わないと思うんだけど。
「ところで京輔兄さんはどうしたのさ」
従兄の事を聞こうと思ったら弟が先に聞いたので黙っておこうと思ったが丁寧な口調にはならんのかね。
「さぁ……? 私が起きたときはまだ居たと思うんですけど」
「ふーん」
弟はどうやら従妹の事が嫌いなようだ。
しかしほんとにあの人はどこに言ったんだろう。
俺は従兄の考えていることがよく分からない。あの人は手に入れたいものは何してでも手に入れる人だ。
それでいて引き際を知っていて狡猾で大胆不敵。
なんか物凄い性格だと思うぜ俺は。
「そういえば、なんで伯父さんたちは居ないんですか?」
「ああ。それね。実はさー」

       

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