Neetel Inside 文芸新都
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「そ、そろそろソレどけてくれない?」
声が震えてるぞ弟よ。
弟を怖気させるなんてやっぱり人間じゃない。だって弟は化け物だもん。
「さしずめ私は神様って所かな?」
「人の思考を読むな!」
てへっとかしなくていいから。てへっじゃないから。
「変態だけど一応弟だからさ。傷ついてると姉が暴れる。被害は主に俺と俺とか俺」
「……さーくんが言うならいいよ。ちっ命拾いしたな」
「今、ちって言ったよね? 舌打ちしたよね。多分小声で言ったつもりだと思うけど命拾いとか俺聞いたよ」
だからてへってするな。意味わかんないから。b並に謎だから。
すると声が聞こえる。へなへな~ってした声。
「理さ~ん。すいませんちょと手伝ってください。立てません!」
「ほら。強く蹴りすぎだよ」
「えー? 私が悪いの? 正当防衛だよ」
「お前が悪いだろうなぁ。銃刀法違反でつかまるだろうなぁ」
銃は持ってないよとか聞こえたけど無視し様。
俺が聖に向うと弟と美希は途端ひそひそ話をはじめた。
さっきまで殺り合ってたのに意味わからん。俺の周りには変奴しか居ないんだろうなぁ。
「ほら、肩か貸してやるから。大丈夫か?」
「ええーと。駄目です。おんぶしてください。おんぶ、おんぶしてくれなきゃ嫌です!」
………こいつ元気そうだな。
「まぁ、いいか」
「うへへー」
おんぶしてやると変な声を出す。
なんかしらんが聖はうへへーって笑い方するよな。
「ねぇねぇ兄さん。実は僕さっきので足挫いたからだっこして。抱っこ」
「あー! じゃあ私は肩車がいいなぁ」
うわぁ。なんだこいつら。
「もしかしてすきなの? 好きだから特別扱い?」
「ええ!? 私というものがありながら不潔!」
うぜぇ。こういうときだけ結束するのやめて欲しいな。
つかやめろ。
「ねぇねぇ兄さんってば」
「ねーさーくん、肩車して欲しいなー! 女の子肩車できるんだよーロマンじゃないの憧れじゃないの? moeでしょ」
ああうぜぇ。
なんかうぜぇ。
聖は聖さっきからへへぇーとかむふふとかうるさいし。
多分変わったな俺。色々あって人格変わったな。間違いないだろう。
あー……彼女美希ならいっか。
美希の事結構好きだしな。うん。
「あっ! いたいたwwwどこいってたんwwマジで捜しちゃったですぁwwww」

       

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