「ひぐっ……ぐすっ……」
誰だろう。つか、こんなところで泣くなよ。
体育座りで顔をうずめて泣いているロングヘアーの女の子。
見た目……は分からんが多分多分俺と同い年だろう。
どうしよう。
とりあえず、隠れ様。
そのときパキって音が。小枝が折れてますね。俺の足によって。
「誰!?」
うわぁ……ばれた。やべー。
ん?
「理君……?」
「えーと、はい」
相手は俺の名前を知っている。
俺も相手の名前を知っている。
光だ。
「な、なんで理君がここに……」
「いや、なんとなくだけど……」
そう、といって光は目を伏せた。
ちょと舞ってくれ。
光は、理君なんて言わないぞ!?
理だ! 呼び捨てだ!
しかも髪下ろしてないし。ポニーテールだし。
そうか! わかったぞ。
お姉さん又は妹か双子だな!
「すみません、つかぬ事を聞きますが光さんのお姉さんか妹さんでしょうか?」
「光ですけど……?」
うわぁああ双子の可能性すらなくなった。ていうか。
う、ううう嘘だ!?
ええ! こんなのが光!?
「ひ、光さんはいつも髪下ろしてましたでしょーか」