Neetel Inside 文芸新都
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「いや、いつもはポニーテールだけど。何で敬語なの」
あばばはばばば。
ほんものだぁあ!
「な、なんかいつもと雰囲気違うね」
「あっはははwwいつもと一緒だよwww」
違う! 全然いつもと違うじゃないか。
最後に「ぁ」がついてない!
「何で泣いてたの」
単刀直入。
「あはっ……ははは。理君だから教えるね」
ん? 脈あり?
でもこれで彼氏がどうのこうのでってきたら…・・あああ。
押し……倒す……いいやいや。犯罪だソレは。
次の瞬間彼女が言った言葉に俺は耳を疑った。
「あとね、余命半年くらいなんだよ」
は?
ひ?
ふ?
へ?
ほ?
「冗談、だよね?」
「あはっ。違うよ夢でも冗談でもない。ぜーんぶ真実なんだよ。何で私なんだろうね。何で私がこんな目に遭わなきゃならないんだろうね。何で私? 何で!? 何で!!」
光は完全に取り乱していた。
俺は、なんていえばいいんだろうか。
「ねぇ教えてよ理君。なんで私なの? なんで私じゃなきゃ駄目なの? 普通に生きたかったよ。恋をして結婚をして子供が出来て、孫が出来て。そんな普通で良いんだ」
最後は独白に近いものだった。
彼女は目の焦点が合ってないように見えた。
「死ぬのは、嫌だよぉ……死にたくない……うわぁぁああ」
最後は遂に泣き出して崩れ落ちる光。
俺は光を抱きしめた。
ただ、抱きしめていた。
俺は、彼女の支えになれるんだろうか。

       

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