Neetel Inside 文芸新都
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恋愛関係
病院

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……
………
…………
……………日記をやめよう。
さようなら。

     

俺が朝起きて一番最初に聞いたのは目を覚ましたぞって言った父さんの声だった。
「は? 俺起きてるけど」
今何時だろうと時計を見ると3時30分。
今日学校だぞ。何考えてんだよ。
「父さん。俺今日学校なんだけど。2時間しか寝てないんだけど」
「いや、だから起きたって」
他に誰かいるのかと周りを見渡すが誰もいない。
いつもはいる弟すらいない。
姉? 妹? 妄想じゃね? 彼女たちは去年結婚したよ。妄想だよ。
「弟はどうしたの父さん」
一番注目すべきはここだ。
弟がいない。何故?
毎日といって良いほど弟はいる。というか、寝てる。
けど一度も襲われてないから不思議だぜ。
「病院だよ」
「病院!? どうしたの?」
「だから、目を覚ましたんだって。光さんがね」
「それ早く言えよ屑野郎!!」
怒鳴ってすぐ着替えて家を出た。
秒間2秒。美希に近づけた気がする。
腰を抜かせている父さんが見えたけど無視。
「教えてくれてありがとう父さん!!」
そう叫んでバイクをにまたがる。
ここから病院までバイクで行けば5分もかからないだろう。
まぁ、凄く煩くなるから近所迷惑になるけど。

     


病院がこんな時間にあいてるわけないのにどうして父さんは知ってるんだろう。
走りながら俺は考えていたが病院が見えたので思考が中断された。
「あれ? ブレーキがきかねー」
派手な音と共に自動ドアを割って転倒した。
ちょといたいけど大丈夫。
光のためなら大丈夫。
うはww今俺ぜってーかっけー。
階段を駆け上って病室まで走る。
走る走る俺。
流れる汗もそのままに。
「光!!」
勢いよくドアを開けると光が、いた。
「おはよwwうるさすぎるぁwwww」
「ああ、ああ……おはよう」
まったく、三年前と一緒だ。
最後に「ぁ」つけないと死んじゃうのか?
あーやべー涙が出てきた。
頬に熱いものが流れてる。
「兄さん。泣いてちゃ駄目だよ」
「あ、いたんだ」
「ひどいよ! 美希も一緒にいるんだよ!」
「私もいます理さん!!」
皆いるのか。
トリアーエズよかった。
これでまた馬鹿騒ぎできるんだろうな。
まぁ、色々疲れそうだけれど。
「でねww皆によく聞いて欲しい事があるんだぁwww」
「どうした光」
「後30分しかww生きられないからぁwwww」
え?何
どーゆうことでしょーか。
「まぁww要すると奇跡的におきれたってことぁwww」
「ちょと待て。なに? ドッキリ?」
何?
なんで沈黙が訪れてんの。
まーてって。
俺は騙されねーぞ。
おいおいおいおい。誰か喋れよ。
「とりあえずww言いたいことだけいうねぁwww」

     

「私高校の教師になりたかったんだよwwでね皆に生きるってこと教えたいとか思ってたぁww」
沈黙。
「でねww今起きたら三年経ってるいうじゃんwwいけるんじゃねとか思ったら余命30分ぁwww」
独白。
「まぁww一時は悩んだけどww2年半と30分余分に生きれたしいいかなって思ったぁwww」
待てよ。
なんで?
ちょwwおまwwwねーよwww
「んじゃ写真とろう。写真!」
美希がどこからかカメラを取り出して叫ぶ。
というかあれだ。あの、でかいやつ。脚立がついてる。
どうやってだしたんだろう。
「いいねwwやろうぁwww」
「私はいいですよ」
「僕も。兄さんは?」
勿論いいに決まってる。
ただ、なんかやだ。
これで終りな感じがして。
「いいぞ」
「そんじゃ集まって!!」
ベットに座っている光を中心に写真をとる。
光の右に俺。光の左に美希で美希の隣が弟。俺の隣は聖だ。
「はいチーズ!!」
思い出の一枚がとれた。
そのあと適当に談笑した。

     

「ふぁああ。ねむい。凄く眠いや」
光が眠たそうに瞼をこする。
眠らないようにしているんだろうけどなんか頭がかくんかくんしてる。
「ちょと寝る。皆おやすみ」
ベットにもぐって瞼を閉じる。
「俺、光のことが好きだ!」
俺も最後に言いたい事を言った。
「ん……ごめん」
それが、最後の言葉だった。
最初で最後の告白は振られて終わった。
けどまぁ。予想してたしな。
それでも俺は、今でも光を愛していると誓える。
「それじゃあ、アイスでも買いにいこっか。光好きなんだよいちごアイス」
美希は静かに泣いてた。
おかしいだろ。光が倒れたときは無関心だったのにな。
「ちょと寝てるだけだし。どうせ又おきるよ。案外三年後に又おきるかもねー」
そう言って美希は部屋を出て行った。
それに続いて聖と弟がついていく。
「兄さん、忘れないでね。僕達もいること」
ドアの閉まる音がした。
俺は声を上げて泣いた。
子供のように大声で泣きじゃくった。

翌日葬式が行われた。

       

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