Neetel Inside 文芸新都
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「本来は少量ずつ飲んで全身のマナが0になるまで待ってから全部飲むのよ。そうしないと――」
 ぷすりぷすりとアリスの近くにあった書物が燻りだした。慌ててスーシィは杖を構える。
「a lolia welrues(聖なる水)」
 ジュウ――。
「あんた、水の魔法を?」
 出現した水の量は決して多くはないが、それでも何リットルかはあるそれをアリスは体に触れずに全て気化させた。
「そうしないと、通常全身に均一にあるマナが外へあふれ出して、高速スペルや省略スペルが一時的に使えるようになったり……とにかく危険なのよ。私も少し本気でいくわよ」
「え、やめ――」
「lolo ultulmerl…kiki uruikmel…dada slorijiol…imim aliekso….(エレメンタルに対なるものたちよ)」
「Bala I !!(集え)」
 アリスは咄嗟に叫んだ。
「Lezical !(魔構壁)」
 スーシィから洪水のように流れ行く滝が、アリスの過剰な防壁によって防がれる。魔法がぶつかる瞬間、机にあった図書が全て舞い上がった。
 ドッ――どどどどど。
「何防いでるのよ! そんなことしなくても、どうにもならないわよ!」
 スーシィは爆発するような水を出しながらアリスへ向かって叫んだ。アリスの方は大型魔法を喰らって必死なのか、研究室全体を包むほどの防壁をただの一度の詠唱で完了していた。
 ――バチ、バチ。
「純粋なマナのせいで要素の衝突が起きてる……。ユウト、私を抱えて後ろへ!」
「わ、わかった!」
 ユウトはスーシィの腹を抱えて一気に後ろへ跳躍した。研究室からはじき出された水が廊下一帯を水にしている。
「何事ですか!」
 騒ぎを聞きつけてやってきた先生に無論、説明している暇はなかった。
「ど、douしたらiいnoよ」
「へ?」
 アリスから放たれる謎の火球が駆けつけた先生のマントへと飛ぶ。
「きゃあ」

       

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