Neetel Inside 文芸新都
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「アリスの悪口を言いなさい」
「え!」
「そうすればあの性格からして何か一言必ず発するわ。そこで一旦はき出させてから大魔法を撃つわ」
「せっかく仲良くなれると思ったのに!」
 アリスは無言のままユウトを追ってくる。自分の体が普通ではないことを知ってか、目を泳がせながら走っている。
「アリス、いいわね。外へ出たらそのまま真っ直ぐ校舎から離れたところへ走って!」
 こくこくと頷くアリス。
「す、スーシィ。何て言えばいいんだ俺は」
「なんでもいいわよ。大概のことには反応するはずよ」
 出口が見える。一瞬でエントランスを白い霧で覆い尽くす。外に出ると蒸気がぶわっと噴き出し、ユウトはそれと同時に上空へ飛躍した。
 夜空に舞うように滞空し、息を溜めてからユウトは思い切り星に向かって叫んだ。
『アリスのぺちゃパーイ!』
 ――はあとため息をつくスーシィ。それに遅れて校舎の光りの中から暗中へアリスが飛び出した。
「あれ……アリス聞こえてないのかな」
「lolo ultulmerl…kiki uruikmel…dada slorijiol…imim aliekso….(エレメンタルに対なるものたちよ)」
 スーシィがユウトの背中で淡々とスペルを紡ぐ。気のせいかかなり気合いが入っているようにユウトは思えた。
「ユウト、アリスへ近づいて」
「了解」
 アリスが門の近くまで来て人気がないと充分に判断したのか、スーシィはユウトの背中に跨り二人揃ってアリスの元へと跳躍した。
「アリスー、聞こえたか? ぺちゃパイって!」
「Bala I !!(集え)」
「ふZaっけんじゃないwaよ! aんた、siにたいの――!」
 どんという地響きがしたと思うと、スーシィの放つ滝のような水の塊が地面と空を縫うように爆散している。
アリスのほうから何か得体の知れない魔法が放たれているのだ。
「ユウト、一旦引くわ!」
「はいっ」

       

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