Neetel Inside 文芸新都
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 そういうとアリスは踵を返して学園へと戻っていった。
 わけがわからないいままリースと別れ、部屋に戻るとスーシィがいた。

「おかえり、ユウト」
「あれ、アリスとの相部屋は……」
「今日で終わり。もう一人であるけるのだもの、それよりこの学園で決闘の話しは聞いた?」

 スーシィは鏡台に座って脚に魔法を唱える。
「うん」
「ユウトはどうするつもりなの」
 スーシィは魔法で脚を固定し直すと、ユウトを見据えて言った。

「アリスが戦うなら俺も戦う。それしかないんじゃないか」
「殊勝な心がけね。例えそれで退学になったとしても?」
「退学って?」

「許容するわけじゃないけれど、もし決闘が明るみになったらアリスも決闘を挑んだ子も学園追放。
 これは規則のようよ」
 そんなまさかとユウトは一笑した。
「冗談でこんなことは言わないわ。
 ユウト、決闘なんて馬鹿な真似はやめなさい。あの子は理由があってここにいる。
 何で決闘なんて言い出したのかはわからないけれど、プライドや事情で大事を見失うのは愚か者のすることよ」
 ユウトとスーシィの間に沈黙が訪れた。


「どうしてわからないんだっ!」
 とある生徒の一室で大声を張り上げる男がいた。
 リースは男と対照的に毎日が質素な身なりであった。そしてその外見が少女の使い魔は困った表情をつくって固まっている。

「いいか、僕は勝たないといけないんだ。そのためにあいつの使い魔に幻覚を見せることくらい何でもないだろ」
 緑の瞳を小さく震わせながらリースは首を横に振った。
「ちっ、使えないヤツだな。これ以上、僕の言うことを聞けないっていうんなら制圧魔法を使うぞ」

 金髪頭、カインの姿がすっと杖を構えるとリースは怯えた表情で許しをこいた。
「ごめんなさいっ。言うこと聞きますっ、だから――」
 杖の先をリースののど元に突きつけてカインは勝ち誇った微笑を浮かべる。
「そうだ、最初からそう言ってくれれば僕もこんな手荒な真似はしないさ。
 仮にも僕は高尚なメイジなんだからね」

 ぼうっと光るリースの首元のルーンが赤く光った。

       

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