Neetel Inside 文芸新都
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「それにしても……」とアリスは一考する。
 そんな話しはあっただろうか。

 今日が二学年と一学年での共同クエストというのは去年の終わりに『年間授業区分』で確認していた。
 しかし、アポが必要だということは聞いていない。

「(た、ただ聞くだけよ)」

 アリスは思い切って、スーシィとシーナの元へ行こうとした。
 すると、目の前に立ちはだかる二人の姿が重なり、アリスはたじろいだ。

 その姿はユウトとリースである。

「ユウト? あんた今までどこで――」

「昨日のことをまだ謝ってないんだ? アリス」
「う、うるさいわね。これから行くところだったのよ」

「……何しに」
 リースがじっとアリスを見つめる。
「……うっ」
「ほら、向こうに二人ともいるから『謝りに』行くよ。
 シーナはあんなこと言われて傷つかない子じゃないんだ」

 ユウトはアリスの手首を掴んで歩き出す。
「――や、やだっ」
 はしと離れたアリスの片手。それは明らかな拒否だった。

「い、いい加減にしてくれ」
 アリスは何を言われているのかわからなかった。
 とにかく、ここから逃げようとするアリスをユウトは驚くべき反射神経で掴み戻した。
「だめだ、今は嘘でもいいから二人と協力してくれ」
「あんでよ! 私は、私は……」
「言ったろ。アリスは一人じゃだめだって」

 アリスは顔を俯かせた。
 抵抗が弱まるのを感じると、ユウトはアリスを引き連れてシーナとスーシィの元へ歩き出す。

「やっときたわね」
 スーシィがおどけた調子で言った。
 シーナはまた酷いことを言われるのではないかと思ったが、アリスの様子からそれを思い直す。

「茶化さないでくれ、スーシィ。ほら、アリス」
「な、なんで私がっ」

       

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