でもそうすると、三系統か、二系統の使い魔が召喚されてしまうでしょう。
と言われ、シーナははっとした。
「だから、一般論での四化成は横線の上に全ての属性が拮抗した状態。
無に等しいバランス。そう結論付けられたわ」
「一般的には……?」
「そう、だけど私はそれは間違いだと確信していたのよ」
スーシィは壁掛けの時刻を確認して、溜息をつく。
「話し込んじゃったわね。
結論からいうと、四の使い魔は4という系統バランスで事実上可能になると計算できるの」
スーシィは計算式を書き出すが、
それはシーナに理解できる範疇を超えていた。勉強不足もあるだろう。
しかし、それ以上にスーシィの理論はどこか狂気めいた執念が感じられた。
「詳しく話すのはやめておくわね。
だから今回の召喚魔法陣はユウトの属性の反対属性を強めたもの。磁石みたいなものね」
「ユウトにも使い魔としての属性があということですね!」
シーナはそれだけを納得した。
「そうよ、じゃなきゃ召喚なんてされないじゃない」
スーシィは笑って返した。