Neetel Inside 文芸新都
表紙

4の使い魔たち
それぞれの道中

見開き   最大化      


 数日後――。 


 月明かりも時折雲に織り混ざる夜、
 ユウトとシーナの二人は小さな遊牧民のテントで一息ついていた。

「これが五年前の契約なんですか?」

 修行と戦闘の繰り返しだったユウトは、シーナと話す機会があまり無かった。

「使い魔には能力やセンスを開眼、強化するためのルーンが刻まれるらしいんだけど、
 俺のは特別製って黒服のじいさんが言ってた」

 しかし、ユウトはそういったことを今まで一度も感じたことがない。
 きっと主であるメイジとの距離が離れすぎているせいだろうと思っていた。

「コントラクト――でしたっけ」
「知ってるんだ」
「ええ……、あの方がくれた魔法書物で学びました」

 パチンと火にくべた薪が音を立てる。

「お―い、寒くなるから中へはいんなせえ」
 二人は腰を上げる。
「今行きま―す」
 ユウトはシーナと共にテントへ向かった。




       

表紙
Tweet

Neetsha