「何、そう卑下することはない。なかなか素質のある使い魔ではないか」
「でも、戦闘では私たちの前に出るはずの使い魔が
こんなただの人間じゃ時間稼ぎにすらなりません」
戦闘?
なんだそれ。番組の人?
ホワードと呼ばれた男の言葉が急に悠人にも分かるようになる。
男は唇を固く結んで首を横に振った。
「一度呼び出してしまったら仕方がない。使い魔は死ぬまで主と共にあるのだ」
「わ、私に死ねというんですか?」
「そのために使い魔特別訓練所があるのではないか」
使い魔?
なんのことだろう。
少女が涙ながらに何かを懇願し始めると、悠人はますます不安にかられた。
「それによって使い魔の潜在能力を極限まで引き出し、
また使い魔の能力を極限まで高め、我々は最高の魔法使いとなれるのだ。
使い魔を無下にする輩は、いずれ自分自身まで無下にすることになるのだ。心得よ」
「それでも! 人間を使い魔にするなんてヤ!」