「ユウト! 街だわ!」
太陽の下、シーナが驚嘆の声を上げる。
この街に並ぶほとんどは大きく美しい。
それはシーナにとって今までに見たことのないもの。
遠目からでもシーナが碧い髪を揺らしてはしゃいでいるのがわかるだろう。
大きな街は近づくにつれてさらに大きくなる。
円に掘られた溝に水が流れ、
高さ数百メイルはある噴水がドーナッツ状のトンネルを作る。
そんな橋が八百メイルほども続き、街へと繋がっている。
「フレッドさんたちにも見せられれば良かったのに……」
「そうだな」
彼ら遊牧民はジャポルには用がないそうで、
手前十キルメイルの場所であえなく別れた。
歩いていくと街中から聞こえるパレードの楽器が小気味よく聞こえてくる。
すれ違う人々は皆、派手な服装やら大きな商売道具やらを担ぎ、
見ていて飽きることがなかった。