「ちょっと、何がおかしいのよ」
「最高だわ、あなた。
つまりあなたは弱い使い魔はいらない、
けれど他人に渡す気はない。そういうんでしょう?」
「――?」
「それは傲慢というものよ。アリス」
「そうかもしれないわね」
「わかってるじゃない。なら、くれてもいいんじゃなくって?
こっちはこんなにお願いしているっていうのに」
「どうしてそうなるわけ? そんなのこっちは知ったことじゃないわ。
そもそもこんな格好でお願いだなんてよく言えたものだわ」
「そ、ふふ、話しはここまでのようねアリス。
そういうからには、私の要求には応えてくれる気はないのでしょう」
そう言って女はアリスの杖を放り投げてランタンの置かれるテーブルへと戻る。
転がった杖はアリスの足下で止まった。
「……」