Neetel Inside 文芸新都
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 普通の使い魔ならば主が死の危機に直面した時、
 刻まれたルーンの力によって主の危機を悟り、
 命を守るべく駆けつけるだろう。

 しかし、それが距離という壁に阻まれていたとすれば、
 それを可能にするのはまたルーン、すなわちコントラクトの力なのだ。

 一種のテレポートとも言えるそれが発動するのは

 使い魔の主が致命傷を負い、死にかけた時でしかありえない。

 ――故にデットサモン、死の強制召還。

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 女はゆっくりとこちらへ近づいてくる。

「あんた、まさか本気で……」

 そうまでしてこの女はユウトを手に入れたいのだ。
 何故か? それはアリスの知るところではなかった。

「本気よ、そもそもあなたを拘束している時点で
 私は誇りなどもっていないということに
 気づいても良かったんじゃない?」

「……っ」

 アリスは必死にもがいてみせるが、
 ロープはよっぽど強く締められているのか
 アリスの手足に赤い痣をつくるだけだった。

       

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