Neetel Inside 文芸新都
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Ⅸ.おまけ <12.21>

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  Ⅸ

 所々血のついた薄い布をたくし上げ、顕わになった柔らかなお腹にカルツは舌を這わせた。
「……っ」
 ぴくりと反応する身体と共に、サナの口から声にならない息が漏れる。
 まだ出来て間もない傷をいたわるように舐め、小さな窪みに辿り着く。唾液を含んだ舌で臍の外堀をなぞり、少し遅れて手を布の中に滑り込ませる。臍に溜まった唾液を吸うカルツの口から淫らな音が漏れ、同時に彼の細い指が膨らみの先端に行き着いた。
「は……っ」
 自分の口から漏れた声の大きさに驚き、サナは思わず両手で口を覆った。はっと気付くとカルツの顔がすぐ上にある。
「分かるよ。久しぶりすぎて……なんだか照れるね」
 微笑みながらそう言う彼の目を見て、サナは口を押さえたまま小さく吹き出した。そして突然身体に染み渡った幸せの感情を処理しきれずに涙が溢れ出す。サナはそのまま両手をカルツの首に回して自分に近づけた。カルツも逆らわずに顔を落とし、吸いつくように口づける。
「……んっ……ん……」
 舌を絡めながら、カルツは指先で胸の蕾を転がした。すぐに大きくなった突起をさらに撫で、優しくつねり、そっとなぞる。顔を上げるとサナの唇から大きな吐息が漏れた。そのまま両手で服をめくり上げると、形の良い二つの膨らみが顕わになる。重力に逆らって勃つその先端に、カルツは愛おしそうに顔を近づけた。
「ぁ……はっ……あぁ……」
 口の中にあるひとつを舌で転がし、指の中にあるもうひとつを捏ねまわす。少しずつ大きくなる喘ぎ声を聞きながら、カルツは空いた片方の手をゆっくりと下に滑らせた。サナは一瞬拒否するように太ももを閉じ、しかしすぐに力を抜いた。
 目指す場所を軽くなぞっただけで、カルツの指はそのままサナの膝まで降りる。太ももの内側を焦らすようにゆっくりさすると、サナは嫌がるように腰をくねらせた。何度かそれを繰り返した後、彼の指はそろそろとお腹をなぞり、下着と肌の間に潜り込んだ。サナの息遣いが一層荒くなる。
 くちゅ。
 サナが嬌声をあげる。カルツは自分の指があっという間に濡れていくのを感じながら、その愛液の溢れ出す中心を掻き混ぜた。吸い込まれるようにそのまま指を挿し入れ、彼女の好む点を執拗に刺激する。
「あっ!……あぁっ……やっ……ぁっあっ! んっ…はっ……ちょっ、……」
 下着をつけたまま達した事は今までになかった。しかしそのまま上り詰めていくサナを見てカルツは指の動きを加速する。
「あっ!……まっ、あっ……!…………っ…………!」
 カルツの腕を両の太ももで強く挟み、横向きで身体を丸めた状態でサナは絶頂に達した。

 呼吸が少し落ち着いてから、サナは顔を少し上げた。カルツが微笑んでキスをする。
「あたし、こんなだったっけなぁ……」
「久しぶりだからかな?」
「そうかなぁ」
 えへへ、と照れたように笑うサナにカルツはまた軽く口づけ、そのまま自分の下を脱ぎ捨てた。サナはそっと彼の中心に手を這わせ、カルツはサナの下着に手をかける。お互いの呼吸が荒くなり、カルツはサナに覆いかぶさった。
 先端をあてがいそのまま上下に擦ると、サナは我慢できずに声を漏らした。カルツの太ももを手でさすり、声なき声で急かす。カルツはつい先程あれだけ激しく掻きまわした場所に、今度はゆっくりと慎重に彼自身を沈めていく。
 サナはカルツの背中に両手を回し、二人は最も近い距離で再び口づけた。

「あっ……ぁん、んっ……カルツ……」
 名を呼ばれるとカルツはサナに顔を近づけてキスをした。その度にサナはカルツの首に両手を回し、彼の唇を貪る。その口から溢れた唾液は首まで続く細い筋をかたどる。カルツが唇を離すと堰を切ったように嬌声が部屋に響き出す。
「いぃ……あぁ、あっ!……いっ……きもち、いい……」
「気持ちいい……?」
「……うんっ…………あっ……いぃ、すご……いいっ……!」
「じゃあ……」
 身体を起こして背筋を伸ばし、突き上げるように、擦りつけるように動き始める。
「あっ! あっ……こ……ん……ぁ、はっ……ぁっ……!……」
 カルツはそのままの体勢で、M字に開いたサナの中心に手を這わせ、自分が貫いているその少し上の突起を親指で押さえ、そのまま乱暴に擦った。
「ひぅっ!……あっ!そ……こ、あっあっあぁぁ、あっ!いゃ、…………!…………」
 そのまま一気に達したサナに覆いかぶさり、腰の動きを緩慢にする。
「もう、だめ……ん、は……ぁ……っ……」
 潤んだ目で助けを求めるようにカルツを見上げるサナに口づけ、カルツは微笑んだ。
「僕もそろそろいいかい? 実は結構我慢してるんだ」
 サナは朦朧としながら微笑んで頷き、カルツの背中に両手を回した。
「いいよ……」
 徐々にカルツの動きは加速し、それに伴ってサナの喘ぎも再び激しくなる。
 最後の山を越え、二人は息も切れ切れにまた口づけあった。

       

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