Neetel Inside 文芸新都
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yamiako
ウーマンリブ革命

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「それじゃあ、ウーマンリブを下さい」

 私は若年の女性の柔肌が絡みついたその肋骨を想像して思わず口内で唾が溢れ出た。視線をウェイターから隣に座っている芸妓姿をした男娼の少年へと移す。
 すっかりと「血のワイン」に酔い果てた彼は、一口目で肛門が弛緩し下痢状の便にまみれ、二口目には小便を垂れ流し、三口目で勢い良くペニスから精子を噴き出した。放射線を描くほどの量の精液は最初は薄い黄を入れた白色であったが、だんだんとそれにピンクが混ざりはじめて最後には「血のワイン」と同じ色になった。もはや出るものがなくなって宙に向かって暴れ回る亀頭にワインをたらすと、そこからワインが染み込み亀頭も赤く腫れ上がり、最後には吸った分の最後の一滴を吐き出して動かなくなった。

 彼/彼女はまだ白目を向いたままソファに横たわっていた。はだけた着物の隙間から水白粉を塗っていない胸を軽く揉んでみた、心臓はかろうじて鼓動している。
 運ばれたリブ肉を見て、やっぱり脛肉のほうが食べたかったなと思いながら、少年の唇にそれを塗りたくり、垂らした唾液をたっぷりとつけてから食べた。

 それから私は仕事を思い出して店を出た。街は既に出勤するサラリーマンで溢れかえり、彼らは今日の取引のことだとか、会議に発表する企画のことなどを考えながら膨らませた股間を弄っている。実に仕事熱心なものだ。

 仕事先の門の前にたくさんの赤レンガを積んだ人だかりを見て、今日はいったい何があるのだろうと尋ねてみると「郵便排斥の日」とのことだった。人々はもぎとって集めた郵便ポストに向かって赤レンガを投げつけていた。壊れたポストの隙間からは白い手紙が這い出してきて、人々はそこにトマトをも投げつける、うまくレンガによって潰れたトマトは汁を吐き出して真っ白な手紙を汚す。ご苦労なことだと思いながら私は仕事先である工場へと入っていく。

 私は赤く染まった白衣を着ると、ちょうどさっきの砕けたレンガを作業員達が運んできて再生のために大型攪拌機へとスコップで放り始めた。私はそれを尻目に溶液の確認をする。最近はどうも赤色が薄い、一月前の白衣は成分の赤色光によって紅色に染まっていたが、今の白衣は情け無いピンク色だ。最近の仕事の常として私は色素の元である血尿患者達の健康管理を行わなければならない。

「堺さん、検査にまいりました」

ドアを開けるとその老人は何か針のようなもので紙細工を作っているところだった。

「今日の調子はどうですか」と尋ねると老人は元気が無さそうに応えた。

「どうにも内職がうまくいかないんだ」

 ブツブツと言いながら一向に顔を上げる様子もなく、その紙細工と睨み合っている。「針の穴と紙の穴がどうにも入れ替わらないんだ」などと言う様子を見ると、これももうすぐ買い換えたほうが良いのではないかと思える。

「それでは尿の検査だけはしておきますからね」そういって私は尿瓶を持って部屋を出ようとした。

「俺は昔は単に粘土細工が好きなだけだったんだ。けれどひょんなことから職人なんかになっちまって全く人生を無駄にしたよ」

 背中にそう語り掛けられながら私はドアを閉めた。採取した尿を検査薬にかけてから私は息子を小学校へ送り出すのを忘れていることに気づいた。さきほどの様子だからまだあのレストランの中に果てているままなのだろうと思い、私は慌ててピンクの白衣のまま外へ出た。

 途中の商店街を通った時に赤いコードバンのランドセルが売っていたのでそれを買い、歩みを速めた。私はつややかなその革をなでながら、今日の夕食は女の尻肉にしようかと考えた。

 店に着くと案の定息子はあのままの姿で寝ていた。結った髷がだらしなく解けていて長い髪があちこちへと散らばっていた。私は着物を脱がせてから、そういえば税金を納めなければいけないのだと思い出した。私はその中央集中的に皺を寄せて、その真ん中に黒い穴をぽっかりと開けた――それは息子の肛門のことなのだが――それに向かって税金を放たなければならないのだ。

 しかしそれにしても常識というのはなんと甘美なのだろう……

       

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