Neetel Inside ニートノベル
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あいうえお短編
か:カラスの恩返し

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~カラスの恩返し~


「はあ・・・」

ここに来て早二年、私は少しでも恩返しができただろうか?否、むしろお世話になっている気がする。
なんたって私はカラス。できることといえば、家事と簡単な料理くらい。
よく考えたら鶴が機織(はたおり)とか無理だろ常識的に考えて。てか元の姿に戻ったら尚更無理な気がするんだが(汗
私は機織どころか内職もだめ。なんたって私、鳥だから。不器用だし。ゴミ拾いくらいならできるけど、住民票とか無いからバイトもできない・・・


「ただいまー」

「あ、お帰りなさい。今からお風呂沸かしますね。」

「それよりもほら、たこ焼き、買って来たよ。」

「わあ、うれしい・・・」

結局、こうして彼に養ってもらっているわけだ。

それでも、私はいつまでも彼のそばに居たい。
エゴだと分かっている。
でもこの幸せだけは放したくないの。
ごめんね。
あと少しだけ、あと少しだけそばに居させてね、『あなた』。


_彼女を見守る暖かな眼差しは、それからも末永く続いたとさ。めでたしめでたし。

       

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