Neetel Inside 文芸新都
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自説自論
ニンジン論

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 今日とあるエロゲーをプレイしようとしたところ、
冒頭からヒロインが妙なことを言い出した。

「ニンジンにが~い」

 いや、ちょっと待て。それを言うなら「ピーマンにが~い」じゃねえの。
何だよニンジンが苦いって。お前がスプーンですくってるそれは何か。生か。
生だとしたら世界ってのは狭いようで広いからそりゃあ特別苦いニンジンもあるだろうさ。
でもお前が食べてるのどう見てもシチューの具の中に入ってるニンジンじゃん。馬鹿なのか。
調理済みのニンジンが苦いってお前。ありえねえだろ。
しかも、シチューにいれるような種類が苦いって何だそりゃ。
世界には苦いニンジンすら口に出来ない人がたくさんいるというのに。

 まあ、百歩譲ってヒロインが口にしたニンジンが苦かったとしよう。
もしかしたらニンジンを苦いと感じる人間が実際にいるかもしれないし、
ニンジンが嫌いな理由が苦味にあるって人もいるかもしれない。
でもさ。俺がやってるのフィクションなわけよコレ。
で、世の中にはニンジン=甘いっていうコンセンサスがすでに出来上がってるわけ。
実際、俺もニンジンが「甘くて」そんなに好きじゃないなわけ。
だけど、さすがにシチューとかカレーの中に入ってたらなんぼでも食えるよ。
ルーのうまみの方が勝ってるし。大体、大人になったらむしろ野菜のほうがうまいだろ。
ピーマンとかなんぼでも食えるわ。油炒めとかで。

 ってなわけでライターは苦いと感じた野菜の種類を
ニンジンでなくピーマンか何かにするべきだったんだが、
もし、ライターがニンジンは苦いものとか思ってたり、
ヒロインを味覚が人とは違うとかいう設定にしてたらそれは仕方ない。
でも、次の主人公のセリフを見て驚愕したね。俺は。

「大人になっても、こういうところはまだまだお子ちゃまなんだよな~」

 馬鹿乙。あのな。大体野菜ってのは「子供の体」の方が苦く感じるものなんだよ。
それで野菜嫌いな子供が多いわけ。その程度の知識もないのに、ヒロインの「子供っぽさ」を
強調するためだけに「ニンジンにが~い」とかいうセリフを言わせやがった訳だよこのライターは。
しかも本当に冒頭の冒頭から。じゃあ何か。このヒロインの愛液はさそがし苦い味がするというのか。
「●●の愛液なら苦くてもゴクゴク飲めるよ」とか主人公に言わせるのか。違うだろそれは。
っていうかテストプレイの時に誰も突っ込まなかったのか。「え、ニンジンって甘くないですよね」って。
その一言が地球を救ったのにご覧の有様だ。

 まあ何が言いたいかっていうとな。
読者ってのはそういうつまらないことでお前らが描いた漫画を読むのをやめてしまったりする訳ですよ。
そういうのってもったいないだろって事を伝えたかかった訳ですよ。以上終わり。

PS 文中に登場したエロゲーは筆者が最後までおいしくいただきました。

       

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