Neetel Inside 文芸新都
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自説自論
「夜の○○」について

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 巷ではこんな噂がある。

――「夜の」を付けるとなんでもエロくなる。

 ひとまず、皆さんにもやってみて欲しい。思い浮かべた単語の前に「夜の」を付けるだけである。……どうだろうか?私的な見解ではあるが、9割の人がこの法則を理解できないのではないかと思う。
 周りの物を使って確かめてみよう。

・夜のマウスパッド(時間帯による変化なし)
・夜のスマフォ(フェイスブックからのメールがうざい)
・夜の机(晩御飯の痕跡がある)
・夜の眼鏡(起床時、置き場所を忘れる)
・夜の魔王(きぼんにて連載中)
・夜のあんかけ焼きそば(胸やけ必死)
・夜のアトピー(乾燥の季節は地獄)
・夜の群馬(真なる闇)

 ……全く持ってエロくない。むしろ大善利のような空気まで醸し出している始末である。
 一体、誰が最初に「夜の」を付けるとなんでもエロくなると言い出したのか……。これでは完全にデマと言われても仕方ないだろう。
 だが、ちょっと待って欲しい。筆者はこの法則を100%嘘と断定したいわけではないのだ。その理由は順を追って説明して行くとする。


 まず、初めに「夜の」を付けると実際にエロくなる単語自体は存在するのである。
 例を2つ挙げてみる。

・夜の柔道

 いかがだろう。「柔道」という世界に名だたる日本生まれの格闘技型スポーツが、「夜の」を付けるだけで見るも恥じらってしまう様な生々しい行為になってしまったではないか。これでは「最低でも金、最高でも金」と言うよりも「金」以外に獲得できるモノがなさそうに思えてくる。
 次に行きたい。

・夜の乗馬クラブ

 何 に 跨 っ て い る と 言 う の か。
 いや、新都社にいる発想力豊かな皆さんには言わずとも想像に難しくないだろう。ムチや調教等のオプションも付け放題である。
 この2つの例を見て理解して頂けたことだろう。確かに「エロくなる単語」は存在した。しかし、筆者が一番語りたい所は次なのだ。


 ここからは「エロくなる単語」の規則性について説明しようと思う。
 前述した「柔道」と「乗馬クラブ」。一見すると平凡な単語としか感じられそうにないが、それは大きな間違いである。
 前者は「スポーツ」という点。後者はスポーツの要素も含まれるが「習い事」である点。この2点こそが「エロくなる単語」を構成するもっとも重要なファクターとなるのだ。
 もっと簡単に説明しよう。

夜の+スポーツ=エロス
夜の+習い事=エロス
夜の+スポーツ+習い事=ドエロス

 コレを公式をとして、当てはめた例を挙げてみる。

・夜のアーチェリー(もちろん的は1つ)
・夜の書道教室(筆おろし)
・夜の野球(バッターとキャッチャーの戦い)
・夜のこどもクラブ(おまわりさんこっちです)
・夜のカーリング(ん?うーん……エロいエロい!)

 この真理をおわかり頂けただろうか。
 以上の事から筆者は『「夜の」を付けるとなんでもエロくなる法則』を完全否定するのではなく、『スポーツ、習い事に「夜の」を付けるとなんでもエロくなる法則』に訂正するべきだと考えるのである。


 追記だが、筆者が色々な単語で試してみた結果、

夜の+棒状の物体
夜の+液状で白濁の物質

も法則に加味されるかと思ったが、それらは「夜の」よりも「俺の」を付けた方が適切と判断した。

       

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