Neetel Inside 文芸新都
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閑話(10/17)

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―――― 間話

 乳を搾ったり、草を刈ったりしているうちに、日が落ちて、晩になった。その間、ぼくはただぼーっと彼女の言うことに従っていた。特に逆らう理由もなかったからだ。それにやはり体を動かすのは心地良い。なんだか、久々に運動した気分だった。
「もう真っ暗。うちに入りましょう。夕飯を作るわ」
 ぼくはにべもなく肯いて、彼女について玄関まで歩いた。そこでふと、
「トイレは何処?」
 ぼくは訊いた。これから夕飯ならば、先にトイレを済ませておきたい性分なのだ。僕はそういうタイプの人間である気がしたのだ。
 「トイレは外にあるの。あの小川のそばの小屋よ、わかる?」
 うん、と肯いて、まぁほんとは暗くてあまりよく見えなかったが、
 「これ、ランプ、暗いから持ってって。じゃあ先に夕飯作ってるわね」
 ぼくはそのランプを借りて、トイレ小屋に向かった。

 年季の入った木造の小屋だった。ドアをぎぃ、と開けると、床に中くらいの穴が一つ空いていた。どうやらそこで用を足すことになるらしい。さらさらと川が流れる音がした。穴をのぞき込むと、ランプの光が水面に反射した。小屋の隣を流れているように見えた川は、この小屋の下にも繋がっているらしい。
 ぼろっちいな、と思った。ということは、ぼくはこれより良いトイレを使ったことがあるんだろうか。まぁ、いいか。
 用を足して、母屋に帰った。

       

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