Neetel Inside 文芸新都
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って、あれ?
首絞められてない? 生きてるのか俺?
「手をつかんでください」
し、喋った!?
こいつ、喋れるのか。なら、説得できるかもしれない。
「ま、待ってくれ! 手を掴んだら魔界へと誘うみたいな感じだろ! そうなんだろ!? 俺はまだ生きたいんだ。頼む殺さないでくれ」
頭を床にこすりつけて懇願する俺。
このさい恥じやプライドなんてティッシュだらけのごみ箱にポイッだ。
どきどきどき。
…………チラッ
「手を掴んで下さい」
だ、駄目か……。
嫌だ。死にたくないぞ俺は。
「このまま引きこもりで終わるなんて嫌だ………」
「手を掴んで下さい。起き上がれないでしょう」
そうだな。もう覚悟しよう。
って、起き上がる?
驚いて顔を上げるとさだこは依然手を伸ばしたままだった。
ああ、そういうことか。これ悪霊じゃないんだな。
「あ、ありがとうございます」
なぜか敬語で話す俺。
さだこに手伝ってもらってようやく立てたが恥ずかしい。
これは恥ずかしい。
「全く。そんな中二病丸出しで何を言っているんでしょうね」
忘れろ。
一刻も早く、いや、一秒でも早く忘れろ。
「しかしだな、いきなりディスプレイから出てくるなんてそれしか考えられないだろう」
「自分の頭がおかしくなったと考えないのですか」
そりゃあかんがえませんよ。
だって俺正常だもんね。
「ていうかお前誰だ」
「私ですか。率直に言いますけど私は神です」

       

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