Neetel Inside 文芸新都
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「うみゅ」
うみゅ?
変な鳴き声を漏らすものだ。
いっとくがあんまり萌えないぞ。
「お・き・ろ・この野郎!」
片方の手の中指を内側に丸め、それを親指で抑える。中指に力を入れて、親指を離す。張り詰めた中指は親指を離れ、外側に向かって勢いよく飛び出す。これによって相手の額に打撃を加える方法を俺は使った。(Wikpedia参照)
それと、力士は一人前になるとデコピンされるという仕来りがあるそうだが、正直訳がわからない。一体何をしたいんだろうか。
「い、痛いです兄さん」
「黙れ。俺の怒りは世論の怒り」
「意味わかりません」
意味わからんのは俺のほうだ。
「そろそろ離れろ。そして金輪際一度たりとも俺に話し掛けるな」
「それは無理な相談ですね」
そう言いつつもゆっくりとした動作だが起き上がる。
なんだか名残惜しそうに見えるのは俺の気のせいという奴だろう。
というか、そう言う風に見える俺は末期かも知れぬ。
確かに、俺は童貞さ。スペックも普通さ。
「けれど誇りは失ってはいなぁい!」
「突然なんですか兄さん。どうかしたのですか」
「俺は童貞だが誇りは失っていない」
「ええ、知ってますよ」
そんなにさらりと流されると色々と。
まぁ、どうでもいい。
「飯、朝飯食べるから用意しろ」
黙って台所に向う妹。
いや、よく出来たどれ……ではなく、妹だ。
今何時だ。
時計を見ると9時ちょうどをさしている。
そろそろか……。

       

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