Neetel Inside 文芸新都
表紙

恋愛事情
神様と名乗るもさ子が黒猫になったんだけどwww

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俺はいつものようにパソコンの前にいた。
ただちょとだけ違ったのは俺ってこのままでいいのかなという風に考えていた事くらい。
なんだか引きこもりをいつまでもやってて虚しく感じてきた。
あーやべ。涙でそうだ。
まぁいいや。どうせ頑張っても引きこもりから抜け出せないんだし。
もう時間なので寝ようと思って電源を切ろうとしたときだった。
ディスプレイからまばゆいばかりの光が溢れ出し俺の胸を貫いた。
……というのは嘘で、取りあえずディスプレイから人の手が出てきた。
がっとサイドを掴んで這い上がってくる感じで。
3秒くらい経ってから俺は状況を理解した。
「うわぁああ!」
驚いて俺は椅子から転げ落ちてしまった。
ディスプレイからは次に頭が出てきた。前髪が長い。まるでさだこだ。
というか、さだこだろこれ………。
「ひっ……」
逃げ様にも腰が抜けてしまって動けない。
何か武器になるものはないかとおもって周りを見渡す。
焦っている所為もあり中々見つからずどんどんさだこ(仮)はでてくる。
もう上半身完全に出てきている。
なにかないかなにかないか。
あ、あった! 
俺は一つの武器を見つけた。
これこそ神の恵んでくださったに違いない!
無我夢中でそれを掴んだ。
むにゅっと柔らかかった。
みるとそれは黄色くて曲がっていた。
それは最近朝食べるといいというダイエット方式が本になっている奴。
バナナである。
「バ、バナナだとぉぉ!?」
よりにもよってバナナとは!
おお神よ貴方は私に氏ねと仰られるのか。
がたん! という音がして振り向くとさだこが完全に出てきてずるずるとこっちに這いずってくる。
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏! アーメン! アッサラーム・レクイエム!」
とりあえず適当に叫んだがまったくさだこにはきかない。
遂に俺の目の前にまで来た。
涙目の俺は最後の台詞を吐いた。
「人生オワタ」
さよなら父さん母さん。あ、倒産と母さん既に死んでるや。
じゃあ妹、千華、紗那、その他諸々。
さよならだ。
さだこはすっと音もなく立ち上がり俺を睨みつけた。
そして真っ白な手が俺の首へと伸びていった……。
                       
                         恋愛事情・完結

     

って、あれ?
首絞められてない? 生きてるのか俺?
「手をつかんでください」
し、喋った!?
こいつ、喋れるのか。なら、説得できるかもしれない。
「ま、待ってくれ! 手を掴んだら魔界へと誘うみたいな感じだろ! そうなんだろ!? 俺はまだ生きたいんだ。頼む殺さないでくれ」
頭を床にこすりつけて懇願する俺。
このさい恥じやプライドなんてティッシュだらけのごみ箱にポイッだ。
どきどきどき。
…………チラッ
「手を掴んで下さい」
だ、駄目か……。
嫌だ。死にたくないぞ俺は。
「このまま引きこもりで終わるなんて嫌だ………」
「手を掴んで下さい。起き上がれないでしょう」
そうだな。もう覚悟しよう。
って、起き上がる?
驚いて顔を上げるとさだこは依然手を伸ばしたままだった。
ああ、そういうことか。これ悪霊じゃないんだな。
「あ、ありがとうございます」
なぜか敬語で話す俺。
さだこに手伝ってもらってようやく立てたが恥ずかしい。
これは恥ずかしい。
「全く。そんな中二病丸出しで何を言っているんでしょうね」
忘れろ。
一刻も早く、いや、一秒でも早く忘れろ。
「しかしだな、いきなりディスプレイから出てくるなんてそれしか考えられないだろう」
「自分の頭がおかしくなったと考えないのですか」
そりゃあかんがえませんよ。
だって俺正常だもんね。
「ていうかお前誰だ」
「私ですか。率直に言いますけど私は神です」

     

俺は携帯をポケットから取り出して電話をかけた。
「あ、もしもし警察ですか? 今部屋に不審な人物が、ちょょうわっ! なにする! やめ」
途中できられた。迫真の演技だったのに。
しかもなんと警察にだ。日本はどこに向っているんだろうね。
ちょと悲しくなっているとさだこが不思議そうに話し掛けてきた。
「貴方、信じてないんですか?」
「そりゃあ、貞子といわれたほうが信憑性高いですよ」
「酷い」
ちょとショックを受けているらしいこの自称神(さだこ)は。
然し神様だとかね。俺もそこまでいかれてねーよ。
「じゃあ私が神という証拠を見せます。変身しますからちゃんと見ててくださいね」
はいはい。
とうって言いながら仮面ライダーごっこか。めでたいなこの野郎。
等と半信半疑だッたが突然視界から貞子が消えた。
どこに行ったのかと周りを見渡したがどこにもいない。
すると下から勝ち誇ったような声が聞こえた。
「ね。本当でしょう」
見下ろすと一匹の黒猫が憎たらしく微笑んでいる。
まさか、こいつがさだこか?
「どうです? まだそれほど階級が高くないから黒猫にしかなれませんが立派に証拠として成り得たでしょう」
「嘘付け。本とはどこかに隠れていて腹話術でもしてるんだろう。さぁ早く出てこい!」
「中二病の癖に疑い深いんですね」
全く。誰が信じるかこんなこと。
さっさと寝ようとおもい俺がベットに向ったときだった。
「一つだけ願いをかなえてあげます」
………なに?
なんといったこいつ。
「なんだって?」
「だから一つだけ願いをかなえてあげます」
ΩΩΩ<な、なんだってー!?
「本当かそれは!?」
「今まで信じなかったくせに……本当ですよ。そのために来たんですから」
まぁ、どういうわけか知らんが、願いをかなえてくれるか。
ふふ、まるでああっ女神様のような展開だぜ。
「けど、条件があります」
「条件?」
「はい。それは私の願いをかなえてもらう事です」
……はい?
なんで俺がこいつの願いをかなえなきゃならないのだ。
畜生……ただじゃねぇのかよォ…………。
「そんなもん自分でかなえればいいじゃないか」
「いいえ。それでは駄目なのです。私たち神は人間の感情というものが生きる糧となっています。とりわけ私には喜びという感情が一番なのです」
何が言いたいんだ。
待て、落ち着け整理しよう。
うん、そうしよう。
えーと要するにだ人が喜ぶ感情がご飯で、あると。
「それで私の願いは人を幸せにしてくださいです。それが私の仕事でもあるし糧でもあるのです」
「うはwwwwイミフwwwwwwおkwwwwwwwwww」
そのあと色々話をされたがめんどくさかったし何より眠かったので全く聞かないで寝てしまった。

     

俺は小鳥の囀りで起きるという人生初の体験をした。
いや、いい目覚めだ。
そういえば変な夢を見たな。
「夢オチとかヒドスww」
さっそく俺はVipへと接続した。
とりあえずスレを立てておいた。
「神様と名乗る謎のもさ子が黒猫になったんだけどwww」
とりあえず反応はいまいちだった。
当たりまえっちゃぁ当たり前だよ。
「兄さんおはようございます」
妹が一階から俺の部屋に挨拶しに来た。
うぜぇ。けど朝飯の匂いがするので許す。
「おう、おはよ……」
おれは振り向いて返事の途中でとまった。
「どうしました兄さん」
なぜなら妹が大事そうに黒猫を抱えていたからだ。
な、まさか……。
「ああ、さっき台所で見つけたんです。可愛いでしょう。飼ってもいいですよね?」
ま、まさかな。
「あ、ああ……」
俺が返事をすると妹は嬉しそうに黒猫に頬擦りした。
気にし過ぎだおれ。あれは夢さ。そうさ夢さ。
気分転換でもするために朝食を食べ様。
朝食を食べに行こうと立ち上がった俺に向って黒猫がみゃあと鳴いた。
それも憎たらしい微笑で。

       

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