「なっ!? き、貴様は突然何を言う!」
少し経ってから真っ赤になって困惑するリリィ。
言葉の意味を理解するのに時間がかかったようだ。
くっくっと喉の奥で笑う魔王はそのまま魔法でリリィを浮かせる。
「は、はなせ! ええいやめろ!」
「じたばたするな」
必死の抵抗空しく軽々と寝室まで運ばれてしまったリリィ。
無造作にベットへと放り投げられる。
魔王もベットに飛び乗りすぐにベットの周りにだけ結界を張る。
これでもうリリィは逃げられなくなった。
「ひっ……や、やめろ魔王」
呼び出されたときとは正反対に完全に怯えた表情で懇願するリリィ。
その表情を見てにっこりと笑う魔王。
「いいぞ、その表情。もっと俺を楽しませてくれ」
彼は正にそのときだけ魔王だった。
「げ、外道!」
「外道で結構。俺は魔王よ!」
「いやぁぁぁあぁぁ!」
その日リリィは眠れない夜を過ごした。
鬼畜外道で傲慢不遜。
これはそんな魔王の生活を描いた物語である。