Neetel Inside 文芸新都
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 お出かけの約束の後、鉄火はちょっと着替えてくる、というような事を口にし
髪をバサバサとほぐしながら更衣室の方へ向かった。
俺はその後ろ姿を見ながらポカンとしていた。

女性との初めてのお出かけ

あっという間に決まった約束だった。何の予測もなく、半ば一方的に決められた約束
だがそれがいい
俺の性格から考えると、俺から誘うなど決して出来ないのでかえって願ったり叶ったりだ。

彼女が着替え終えるのを待ちながら、俺は住人とスレ内でお喋りをする
住人から鉄工所で働く女性が主人公のマンガ「なっちゃん」について教えてもらい
レビューなどを読んだりしながら彼女を待っていた。

しばらく2chで遊びながら彼女を待っていたが、彼女の着替えが遅い。帰還が遅い。
そもそも殆ど作業着のまま帰るくせに何故ここまで時間が掛かるのか。
俺は住人に彼女への文句を書きながら時間をすごすが、それにしても遅い

>>おんなはそんなもんだろがww
>>がっつきすぎww

住人の助言も自分を嘲笑っているように見えるのは「ww」の所為か

>>おめかししとるにきまってんだろおおおおおがああーー?!?!
>>たぶんねww

多分かよ


>>>>1の前になるべく綺麗な格好で出てきたいという女心だ
>>察しろ

やはりそうか、俺もお姉さまの綺麗な格好、早くみたいぜ。


などというやり取りをしていたが、いつまで遊んでいても仕方がない
彼女が着替えに行ってから既に30分近く経っている。
俺は意を決して男子更衣室の傍にある小さな小さなロッカールームのドアを叩いた。






へんじがない、ただのあきへやのようだ



もしかしたら貧血など起こして倒れているかもしれない
そう思った俺は意を決してドアのノブを捻ろうとした。
が、ドアのノブはガチリガチリという無機質な音を立て、俺の入室を冷たく拒んだ。

突然の事態にも冷静に対処するべく俺は更衣室を出て駐車場へ向かう。
工場を抜け敷地の一番奥にある駐車場兼駐輪場を覗く

俺の(姉の)ワゴンRのみが所有者の搭乗を待ちうけていた。







orz 俺、置いてけぼりですか・・・・・・・・?

       

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Neetsha