Neetel Inside 文芸新都
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 車を降りた鉄火は

鉄火
「向井、上の服どうする?私ここから入るまでが寒いから着てくよ」

と言い、茶色のジャケットのジッパーを中ほどまで下げた。

神様、お母様、俺を生んでくれてありがとう。
お知り合いになってこんなに早く、彼女の盛りに盛り上がったB85の豊乳をセーター越しに見る事が出来るとは思いもしませんでした。
何といっても圧巻なのは、彼女の胸がジャケットを前方に押し出しているせいで、
ジャケットの裾部分が胸の高さでエアインテークよろしく持ち上がってしまっていることだ。
彼女はそのままブーツの踵を鳴らしながら建物の中に入っていく。

一方向井は「シャーリングダウン」という名のイカジャンパーを脱ぎ、
グレーのワンピース越しに柔らかくも優しい角度で盛り上がる胸のシルエットを俺に見せつける。

向井
「中は暑いかもしれへんから脱いでいくわw服置かせてな」

そう言い彼女は、自分の並乳に視線を吸い寄せられている俺を尻目にカバンの中身をチェックしている。
俺は彼女の視線が下向きなのを良いことに、その並乳を視覚的に堪能していた。

「やはり、平凡なのも捨てがたい・・・神様ありがとう」

向井は鞄をパチンと閉め、俺の顔を怪訝に見上げた。
いけない、バレたか?いや向井は頭こそいいけどこういう事には無頓着だ。
むしろワイシャツの胸元は開けるためにある、とすら思っているくらいに夏場の彼女の襟元はスーパーフリー、俺の視線になど今さら気づくはずもあるまい。
とはいえ未だに胸元を凝視するのもおこがましいので俺はそれとなく眼を逸らせていた。
すると向井はやはり怪訝な顔で

向井
「なあ、まだ?」


「へ?(何?おっぱい触らせてくれるの?待ってたの)?」

向井
「>>1さん車のカギついたままやで」


「え?ああ、ほんまやwありがとう。え?ほんなら俺を待ってたん?」

向井
「だって折角ここまで一緒に来てくれたのに着いた途端置いてったら可哀想やし」

彼女の心配りが俺の心に沁み入った。
俺は、そんな彼女の胸を凝視しながら

「はやく準備しろよてめえ、鉄火が行っちまったじゃねえのさ、鞄なんか中で開けろよ」

などという考え事をしていたというのに。
慌てて鍵を取りだした俺は、ポケットに鍵を押し込みながら向井と顔を見合わせた。
上目遣いの彼女の視線が、気恥かしい。
俺は慌てて眼を逸らし、彼女の目の前を素通りし、挙動不審な人間のような早足でモールの中に入って行った。


       

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