Neetel Inside 文芸新都
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 彼女らのショッピングはモールに入った瞬間始まっていた。
呆気にとられる俺を尻目に、彼女らは入る店入る店で色々な服や靴を手に取り、眺め、
気に入ったものがあれば色々なサイズで試着をしたりしている。
女の子というやつは全く買い物となると目の色を変える。
俺は目の前で繰り広げられている小鳥の大合唱のような彼女らのやり取りに本当に度肝を抜かれていた。

俺達の会社の給料自体は決していい方ではないので、
彼女らも買い物にはある程度慎重になるのだろうか、とにかく目星をつけた品物を見比べ、
同じような物があれば店の位置が建物の端と端に位置していたとしても足を運び見比べ、
これは縫製が甘い、造り付け方が違う、値段が安いのはあれ、と様々な角度から品物を物色していた。
俺はというとそんな彼女たちのお尻を思う存分後ろから物色していた。
こちらの尻はパンティラインの浮き方が甘い、デルタゾーンの高さ・・・つまり足の長さが違う、
触りやすい、もみしだきやすいのはこちら・・・云々
と俺も負けてはいられず二人の尻を徹底的に研究、論文でも出来上がりそうな程の視姦っぷりだった。

そして十分に彼女らの尻を楽しんだ俺は住人の素敵アドバイスを実行に移す。
「買い物中に似合うか似合わないかを聞かれる事がある。 女が欲しいのは批評ではなくて同意のみ。」

を俺の言葉として発言にしなければ。彼女らの心を掴むためにも俺は頑張ろう。
そして鉄火からタイムリーに打ち頃なボールがトスされる。

鉄火
「ねえ>>1、この向井の着てる服、可愛すぎるよね。ちょっとバカっぽくない?」


「(ktkr!!)」


「うん、俺もそう思う」


>>その同意じゃねえだろwwwwwww

>>向井√消滅キター

確かにその同意ではないだろうに、俺は何をやっているんだ。
向井が俺の評論を聞いていたのかが気になって、彼女の顔を横目で覗いてみた。
彼女はにこにこしながら鉄火と話を続けている。よかった、とりあえずセーフと言ったところか。

やや危機的局面もあったものの、難を逃れた俺はここでようやく一息入れられる状況になる。
買い物を一通り終えた彼女らも少々疲れたのだろう。昼飯タイムの要請が鉄火から入ったのだ。

鉄火
「じゃあさ、あと私ら下着見たいから>>1は適当にその辺でうろうろしててよwごめんだけどさ。
 それ終わったらご飯にしようよw」
向井
「どーっせバカっぽくなるから何下に着てても一緒なんだろうけどw」

はい向井さん、聞こえてましたか、本当にありがとうございました。


しかしここでようやく飯である。
まったく足は疲れるし気がついたら腹は減るしで、今のところ良いところはない。
更に買い物って結構重労働なんだ、と今更実感した俺は、
携帯から書き込みを行い、昼飯が今から始まるという事を住人に告げたのだった。



>660 名前:1 ◆oyDR7bB8tg投稿日:2008/02/09(土) 15:39:55.55 ID:8Vl9pMSO
>楽しいけどやっと昼飯


そしてここからが、俺にとっての地雷ゾーンだったのである。


       

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