Neetel Inside 文芸新都
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会社でお姉さんと仲良くなったのに凹られた
フラグボキボキの買い物イベント!更に決まったスレ主の名前、その名も凹! 2 (09/05/06up)

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 下着の買い物を済ませたらしき鉄火と向井が俺の方へ歩いてくる。
俺はというとフィギュアや馬鹿馬鹿しい玩具などを所狭しと陳列した若年層向けの本屋で、「ガンに打ち勝った芸能人」の様なタイトルの本を読んでいた。
彼女らの顔はニヤニヤしている。よほどいいモノが見つかったのだろう。俺にも見せろよ。

鉄火
「へへ~ん、いいもん見っかったww」

向井
「見たいん?鼻の下伸びてるよww」

むしろ俺にも履かせろよ、着けさせろよ。
そういう一人事を心の中で吐きつつ、表向きは下着などには興味ありませんという顔つきで本を置いた。
そして俺達3人はフードコートへ向かう。

フードコートにで席に着くやいなや、彼女らはよほど腹が減っていたのだろう、荷物番を俺に一任し方々へ食料を調達しに向かった。
向井は席から少し離れたオムライスの店で注文をしている。鉄火はすぐ目の前のうどん屋で並んでいた。
鉄火は『席とここ近いからキミもここおいで』という口振りと手真似で俺を誘う。
俺は貴重品らしき彼女らの鞄のみを小脇に抱え、鉄火の元へ歩いて行った。

並んでいる間、向井が遠くからこちらをチラチラと見ている。早く合流したいのであろう。
そういう所に単独行動の出来ないスイーツな彼女の一面を見る事が出来た。
俺が向井を眺めている間に、鉄火は俺の払うべきうどんとおにぎり代を払ってくれていた。
礼を言おうとすると、横目で笑いかけ、『気にしないでよ』とだけ言い、先に席に戻っていく。
そして俺が席に戻るのと同時に向井も席に戻ってきた。

彼女らは食事のときにもよく喋る。箸を止めて延々と話し続ける。
俺は黙々とうどんとおにぎりを食べる事で、長い間放置され続けた胃袋にたっぷりと奉仕した。
胃袋に奉仕した後は彼女らにも会話でご奉仕だ、住人の助言は無下にしないぜ。
買い物に来ている事のせいか、彼女らの会話のトピックはもっぱらファッションの事で占められていたが、
会話について行けないながらもしっかりと話を聞き、分からないことは


「へえ~それは初耳やわ、もっとkwsk教えて~な~」

などと興味もさほどない癖に興味ある振りをするなど、意外な事に会話の高等テクニックまで駆使し、俺は彼女らとの会話に溶け込んでいくことが出来ていた。

しばらく話をしていたのだが、喉の渇きを覚えた俺はチラチラと給水機を探しているところ、向井が

向井
「ああ、ええよ私丁度立つから」

と言い遠くにある給水機まで水を汲みに言ってくれた。
そんな向井の背中、いや尻を眼で追っていたのだが、途中で鉄火の視線を感じ、彼女の方を見た。
鉄火はニヤニヤしながら俺を見つめている。

鉄火
「いい子でしょ?会社の時と全然違うでしょ。」


「うん、意外やった」

鉄火
「結構気引かれてんじゃない?」


「フフーン、俺はそう簡単にはいかないぜ、おじょうちゃん」

鉄火
「ははっ、誰がおじょうちゃんですかおぼっちゃん」


「いい子やけどね、まあなんだ、俺には勿体無いわなw」

鉄火
「ははっ、何様wwwwww」


「いやははは、何様wwwwww」


>>明らかに向井はワッキーに好意あるな。
>>そして鉄火姉さんは明らかに二人をくっつけようとしてる

>>ここまではいい感じにこれたじゃないか
>>向井√が太くなりはじめたようだが


やがて向井は水の入ったコップを''片手に''持ち、俺達の席に戻ってくる。

向井
「お待ち、感謝して飲んでよー」


「おおう、ありがとー」


フン、たかが水ごときで偉そうだな向井、だがもう朝のような「ああ、おいしそうやね」はもう言うまい。
俺は確実に成長しているのさ。
だがせっかくなのでここで向井にも会話を振ることで俺をアピールしてみることに。
向井の事を知るいい機会にもなる。そう思った俺は口を開いた。


「そういえば向井って彼氏おるん?」

向井
「おらんおらんwいっつもメールしとるんは高校の時の友達やで」


「え、そうなん?んーなん言うて実はあっちに足用、こっちに飯用っておったりしてなww」

向井
「ぎゃはは、スーパービッチやんかそんなん」


「うぇ、うぇへへへへ」


>>>>1はテラ失礼wwwwwwww
>>向井ビッチ知ってんだなwwww


最後の俺の笑い方が気持ち悪かったとは自分でも思ったが、
彼女の顔色から察するにこういう話は嫌いではなさそうだ。
そして俺はタイムリーにも住人の助言をこの瞬間に思い出す。

『あとは鉄火姐or向井が>>1に質問してきたら、
 素直に自分の考えを言ったあと、必ず2人に 平 等 に 聞きなおせよ
 「自分は●●と思うけど向井はどう?」とかなww
 女ってのは妙に平等なことを望むからなぁ
 質問されたからって、質問された相手だけと話してると好感度ダウソだから気をつけて』

そう、今VIPPERの助けと会話スキルを身に付けつつある俺は、パプティマス・シロッコすら凌駕する女性キラーだ。そう、女性と会話すら出来ないヲタクの成り損ないは粛清される運命なのだ!!!
鉄火にもこの質問をする事で彼女の高感度もアップさせるぜ。


「じゃあ鉄火姐は?」

鉄火
「こないだ言ったじゃんwwい な い」

ははは、そうでした、無理やり話振る必要ありませんでした
しかし話に色付けをして大輪の花にするのは男である俺の役目
もう、今の俺に、会話の師匠は必要ないぜ!!!!!!!!!!
次のセリフは『好きな人とかは?居るん?』だぜ


「好きなひ

向井
「でも好きな人おるんやんね、お姉ちゃん」

知 ら ね え え え え よ!!!コンガキャー(鉄火&向井)たばかったな!!
そこから俺の頭はカオスモードに突入する。まさに寝耳に水の青天の霹靂的な阿鼻叫喚だ。
昔、寝耳に水を寝耳に蚯蚓だと思っていて俺にプギャーされた同級生がいたのだが、
かくいう俺も実は蛇足を「じゃそく」だと思っていたなんて事今はそんなことどうでも良くなってしまった。

彼氏?なんだそれ、それなんて都市伝説?
俺は混乱する頭で、とりあえず腹が痛くなった振りをしてトイレに駆け込みスレに書き込みをする。
ちくしょう・・・向井の野郎め・・・とんだスーパー失言を俺に聞かせてくれたな・・・。
というか俺が鉄火と仲が良い事を知った上でそんな事を聞かせて喜んでいるのか?

訳の分からない焦燥感のようなものを振り払うために軽く握っておくか(※1)、とも思ったが
やはり握っておいた。

>>ビッチはどうでもいいから報告のピッチをあげろ

>>握るなwww

>>好きな相手が誰なのか聞いてないなら>>1のような気がしてきた。

>>おいおい、そんなとこでにぎにぎっておまいは寿司職人かよww

>>いや、すし職人じゃあないが鉄火で握りたい

>>↑だれうま




※1 握る・・・何度も言うが>>1の語録の一つ。オナニーのこと

       

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