鉄火とバイク用品店へ行こうと誘われた俺は、寒空の下バイクを暖気させながら彼女を待っていた。
辺りはもう暗くなり始めている。まるで俺の人生の様だ。
しかも、革ジャンを着ているとは言え、当然寒い。
下は一応昨日彼女からプレゼントされたチノパンを履き、気配りある男性をアピールしているので、ある意味心は温まるわけだが。
人から頂いた品物は次回そのプレゼンターに会うときには必ず身に着けておくのが基本だ、男性諸君は覚えておく様に。
更に付け加えるならば、誰か他の女の子からもらったのかしら?と相手に思わせるようなアイテムがあればなおよしだったのだが、俺がそのようなキーアイテムを持っているはずも無く、チノパンを履くことで良しとしておくことにした。
暫く待っていると、鉄火がTT-250Rに跨り到着した。
スーパートラップの音を響かせて登場した彼女は今日もクールなファッションだ。
俺
「おっす、昨日はありがとー、楽しかったわー」
鉄火
「はは、それは何より。甲斐があったって。」
俺はチノパンをチョイチョイを指差しながら『履いてるでw』とアピール
鉄火はにこやかに笑いながら静かに
「よくお似合いでww」
と言った。彼女のテンションが少し低めなのは、寒さの所為か、俺の能天気さの所為か
俺
「ほな暗くなり始めてるし、(店は)八時までやろから行こっか」
鉄火
「うん、じゃあバイク取ってきてよ」
俺
「はいはいーい」
連日デートの期待感に胸と股間を膨らませながら、俺はバイクに向かった。