Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

○鉄火たちに謎のスケジュール確認をされた俺は、残業中にもかかわらずGNドライブを起動し、今後のフェーズについてブリーフィングを開始した。


>俺がこうやって残業してる最中に、一体二人がどのような会話を繰り広げてるのか知りたい件について誰か教えてくれ。

>>残業中に鉄火か向井が差し入れを持ってくるとか・・・・期待してれ
>>来なかったとしても、明日以降の会話のネタで使えるべ、彼女らに今すぐアクセスしれ

俺は高鳴る胸と共に返信レスを書き込む。

>よし、今日仕事終わったら初めて俺から動いてみるか・・・
>いや友達としてだぞ、勿論だけど

>>どっちの携帯にかけるかで迷わない?ソレ

待て待て住人方各位、今この瞬間に猛烈に最高でハイスペックな連絡方法を思いついた。
この方法で行けばどちらかが俺にイマイチな反応を示したとしても、俺がぼっち系の感情を抱き抱えたまま布団で枕を濡らすことはさけられそうだぜ?
おまいさまがた、俺をさんざっぱら阿呆だKYだと罵ってくれやがりましたが、それも今日までだ。
俺の提示する作戦とはこうだ。その大きく口を開けたっきりのお耳をかっぽじって良く聞いてくださいまし。

>フフン、みんな甘いな、いつも返信の遅い鉄火にまずメールだ
>いつもなら大体10分かかるかかからないかだが(いつも思うけどなにやってんだろな)
>その前、大体5分後くらいで向井に電話だ
>せりふはまだ決まってないけどな

すると即座にレスが帰ってくる。

>>鉄火にメール→まず居合わせた向井嫉妬→(;^ω^)
>>その後向井にメール→鉄火とりあえず乗ってくる→( ^ω^)
>>→何その業務連絡wwwwww→凹やっぱオモシレー→( ^゚ω゚^)

あ、そうだ、今はあいつら一緒にいるんだった。

>>テラ策士って褒めようとしたら穴ばっかりじゃんかよ!

ああ、またなんだ。すまない。俺は取り返しのつかないことをまたしてしまうところだった。
ホントは「今何してんだ?(どっちでもいいから)話しようぜ)」
見たいノリでいいのかと思っていたのだが、あいつらがメールの見せ合いをするかもしれないことについては一切考えが及ばなかった。戦術予報士失格ね。
やはりココはウケ狙いで両方同時メールでいくか。

>>まぁでも鉄火に1発目のメールで
>>「まだ2人一緒にいるなら参加したいんやけど~ドンナ感じ~?」
>>ってどうかな? 鉄火先輩立てつつ、向井焦らしってな具合で
>>これなら見られても・・・

なるほど、それはいい考えだ。君に戦術予報士の資格を買う権利をやる。

>>まてまて、鉄火を立てるならむしろ向井にじゃね?
>>一応建前上は向井の恋のキューピッド役してるってことになってるんだから

>>ん~向井先にすると鉄火に方向転換かよ!って読まれたらアカンかなぁと思ってさぁ~
>>今は向井の気持ち?にまだ気づいてない振りで鉄火がいいかなと

いやいや、君らこそまてまて、余計に混乱してきたじゃないか。
俺は一体どうしたらいいのさ。
他の住人様方はどう思うのさ。

>>両√維持したいなら鉄火だろ。

>>鉄火に一票

>>鉄火でFA

>>んー、向井がどこまで凹の気持ちを知ってるかだよなぁ
>>向井の気持ちは鉄火伝いで凹に入ってきてるけど
>>鉄火が向井にどのくらい話してるのかがわからんから

>>みんな鉄火好きだなwwww

>>鉄火に一栗
>>ただ内容は二人を気にする内容で

二人を気にする内容?それを俺にメールしろというのか?
高校入試より難しいぞ、このGNドライブ様め。

>>別に鉄火に今どこ?向井と一緒にいるの?って送れば2人を気にしてることに
>>なるんじゃね?まだ合流できるなら合流したいんだけど的な感じで。
>>つーか、早くおくらねーと普通にお開きになる件。
>>2人いるほうがいいんだろ?

いやまあそれはそうなのだが、どちらかというと(タイヤパンクの嘘の件で)鉄火に怒られたのが意外に効いてて、今日も彼女と顔を合わせたときにあの日の事がフラッシュバックしてしまったってのもあったんだ。
というわけで向井が居ればなお嬉しいのだが・・・。

>>どうでもいいが、もたもたしてる間にお開きになったら、明日までイベントがお預けになるぞww

>>じゃあ尚更急いで鉄火にメールだ。合流できる?と。
>>向井がいればよし。いなくても鉄火に先日の事あやまれるだろ?

よし、ここは住人様のご意見を尊重し、信じて鉄火にメールを送ろう。
俺はストレートかつ端的に「合流できます?」という旨のメールを彼女に送った。
数分待たずして鉄火からより入電。
俺はある程度の覚悟をしていたので、落ち着いた声で電話に出る。さすが俺。

鉄火
「ああごめん、今終わったの?」


「うん、今からでもいける?」

鉄火
「いや、もうご飯終わったよww」


「ハッ、そう・・・」

瞬時に落ち込んだ俺。だがそんな俺を即時掬い上げる鉄火

鉄火
「でもチョット来れる?」


「うん、バッチ氏いけるで」

胸が高鳴る。この感情は一体何なんだ。

鉄火
「私単車じゃん、あんた今日車でしょ?向井送ってってよ」

俺の落ち着きタイムはわずか10秒で終焉を迎える。
更に特筆すべきは鉄火。なんだその持ち上げ→落とすという関西仕込みの会話テクは。


「ハイ?」

鉄火
「私と向井、家逆じゃん、どっちかっていうと
あんた近いんだから送ってってよww」


「ミリ」

鉄火
「さっきバッチしって言ったじゃん」


「いやーガンダム見ないといけないの忘れてた」

鉄火
「ガンダムは土曜じゃん!ビデオだってんなら後から見なさいよ!」


「(土曜って知ってんじゃん!)あっれー、そうきますよね、そうですよね」

電話の向こうで鉄火のため息の後にブーツの足音が聞こえてきた。
どうやら彼女だけ場所を移動したらしい。

鉄火
「・・・あんた声大きい、聞こえてるかもよ」


「・・・・おふっ」

鉄火
「観念しろ、送ってやってよ。私の顔立ててよ」

この意地悪姉さんめ、俺を遊んでるんじゃないの?
もう駄目だ、今日はここで降伏宣言だ。いずれスレ内で幸福宣言してやるからな、覚えておけ。


「わかりました、行きますよ」

鉄火
「よしよしwwまた誘ってやるよ
じゃあ話はしとくから」


「はいよー」



・・・・・・どどどどどどどどどどうししししししょうおうおうおうおうおうおう!!!11
助けてVIPPER-----------------!!!


>>おkk、行って来い
>>何があっても焦らずじっくりな

やっぱそうだよね・・。

       

表紙
Tweet

Neetsha