Neetel Inside 文芸新都
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○向井はややびっくりした唖然とした表情で俺を見つめているが、
自分が家主の了解を得ず部屋に侵入したことについては大した罪悪感も感じていないように見える。

彼女は気持ちを入れ替えるかのごとく深く息を吐いた後、ブーツのジッパーを下げ始めた。やはり侵入するのか。
今の格好ではブーツが脱ぎにくい事に気付いたのか、俺のジャンパーを部屋の入り口に脱ぎ捨て、屈んでもう一方のブーツも脱ごうとする。
胸元から柔らかそうな膨らみが確認できる。俺の股間のエル・コンドルもオーバーザリミッツ。
股間の膨らみを隠すために俺が机に座ると、向井も俺の対面に座る。
しばらくなんともいえない沈黙が二人を包む。
しかし、なんだって向井はそこまでして俺の部屋に押し入ってきたというのか。
俺の体が目当てか、それとも俺の漫画か、ゲームか、本当にそんなものが欲しいのか?
それとも鉄火を獲られそうになって焦って俺に釘の一つでも刺しに来たとでも言うのだろうか。

向井
「あんな、私いちおう告白したんやけど・・・」

そうだった。今日、俺は彼女から告白されたのだった。
俺は目の前に降って沸いた彼女からの告白を自分とはかけ離れた世界の事として処分してしまっていた。
正直に自らを好いてくれている人が居るということを、むず痒いそうな、困ってしまうような、非常に脳内で処理しがたい案件として処理されていた。
だが、嬉しいのは嬉しい。彼女にはきちんとそれは伝えなければ。


「あっ、ああ、そうね、嬉しいかも、ありがとう」

向井
「へっ・・返事っ聞きたいねんけどねっ・・・あと、のど乾いた・・w」

この脅威のカウンター使いを前に、俺は脳を揺さぶられた。
先程まで青筋を立てていきりまくっていた俺のエルコンドルもすっかり意気消沈してしまった。
いけない、このままでは事態の収束を図れそうも無い、俺は彼女の気を紛らわそうと酒を出すために胡坐を崩して立ち上がった。
だが、彼女が飲む自体、火に油を注ぐようなものになるのかもしれない、一方の俺も飲んでしまうと彼女を車で送っていく事が出来なくなってしまう。
しかしながら立ち上がってしまった手前、どうするか悩む。仕方なく俺はオレンジジュースを入れようとする。

向井
「いやー・・そんなんじゃ酔えへんやんか♪」

いやお前十分酔ってるだろ。まだ飲むのかよ。
口を軽く尖らせ、それを彼女に見られないように努めながら梅酒のパックと、製氷機の氷とグラス、ミネラルウォーターを彼女に手渡した。
だがそれも俺の失策だったとすぐに気付く。
彼女はグラスの中に氷のみを放り込み、その上に濁りのゆらつく梅酒を直接並々と注いだ。
出来上がったストレート梅酒を二口ほど喉を鳴らして飲み、軽く咳き込むと、彼女は口を開いた。

向井
「私のこと、どう思てる?」


「うん、かわいいしおしゃれやしよく気が利くし、いいひとやな」

これは正直な気持ちだ、彼女がいい女の子だし、お洒落だし、気も利く子だということはお世辞でもなんでもなく出た言葉だ。

向井
「それだけ?私と付き合ってくれるん?くれへんのん?」

完全に酔ってやがる、こいつ・・・・俺の話殆ど聞いてないに違いない。
この状況、どうすればいいと言うのだ。助けろVIPPER。

>>もう書けるとこまで書いてるなこりゃww
>>無茶しやがって・・・

>>これは・・・・なんという流れのなかでの告白www

>>凹さん、かわいいよ凹さんww

>>核心クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

>>ああ、ここからが地獄だぜ・・・!

>>なんだかもう凹に萌え狂いそうです


そもそも人はどうして付き合うだとか、好きか、そうでないか等の線を引いて異性と付き合おうとするのだろうか。それこそが男女間の友情が否定される最大の理由であろうに。

>>童貞の分際でえらそうにwwwwwwwwww

       

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