BANG!
銃弾が風を裂く軌跡で仮面ライダー参号を襲う。
巨岩を砕く量の炸薬が鋼のように硬い外皮を"抉る"。
一滴で白鯨を殺す質の毒薬が、
炸薬で開いた傷口から全身へ廻る。
毒薬によって全身の免疫機能が著しく弱まり、
銀の毒性が活性化した形で全身を蝕んだ。
それが二十四回行われた。
見る間に身体を腐食、損傷してゆく仮面ライダー参号。
クロス・ハンドとライダー・キックで失われた体力は
防禦行動一つ起こす暇さえ作れなかった。
「くっ」
壊れた案山子のように膝をつき、
毒のために血もでない傷口に手を当てる。
「惨めだな」
労せずして勝利した拳銃遣いが、
仮面ライダー参号を見下す。
「無様だな」
その一言一言に嘲笑と侮蔑と、
そして諦観の色味が混ざっていた。
「死ね」
視界が霞む仮面ライダー参号は、
彼の部分的とも云える"変態"を見逃した。
肩甲骨の辺りから新たに
腕を四対八本生やした拳銃遣いは、
背に隠していた九本の大型拳銃"火竜"を
その全ての手に握り締める。
右手の火竜にも弾が込められ、
十本の火竜が仮面ライダー参号を向いて
一斉に火を噴いた―…!