Neetel Inside 文芸新都
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ショートショート集
強欲な来訪者

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1隻の宇宙船がある惑星を目指して進んだいた。ある惑星とは
最近発見され、文明がある。それを調査するためにこの宇宙船は
やってきたのだ。宇宙船が近づくにつれてその惑星の
文明の高さがわかってきた。大量の人工衛星が惑星の
周りにあるのでどうやらそれほど低い文明ではないらしい。
宇宙船はその惑星の砂漠に降り立った。人間が耐えられる環境が
どうかを調べ宇宙飛行士たちは地表に降りた。しばらくすると
一機の飛行機がやってきて、中からその惑星の住人たちが出てきた。
住人たちの姿は大して人間と変わらなかった。人間との
少しばかり背が小さいのと髪がないぐらいだ。住人たちは
手に何か持っていた。翻訳機だろうか。試しに隊長は
話しかけてみた。
「我々の話は通じますか」
すぐに宇宙人は答えてきた。
「ええ。私が持っているのはどんな言語にも通じる翻訳機
なのです。元々は動物との会話に使うものでしたが、こんな
ところで役に立つとは…。私はこの惑星の最高指導者です。
我々に何のようですか」
「調査のためです。あなた方は生物のいる星に行ったことは」
「いいえありません。それどころか他の星に行ったこと
もありませんよ」
「そうなんですか。しかし大量の人工衛星がこの星の
周りを回っていた。あれはあなた方が飛ばしたんじゃないんですか」
「ええそうですが」
「じゃあなぜ有人飛行ができていないんですか」
「我々は数百年前に人工衛星を飛ばすことに成功しました。
しかし我々の体はどうやら宇宙にはあっていないようです。
原因不明なんですが、我々が宇宙に行くと数日で死んでしまう。
だから我々は他の星にいけないんです。」
「なるほど。じゃああなた方のほうが文明は高いんですかね」
「それは分かりませんが…。そうだあなた方の宇宙船の性能を
いってみてください」
隊長は宇宙船の性能を答えた。すると宇宙人はこう言った。
「それぐらいの宇宙船なら我々は100年前にも作れました」
「地球の最新技術を尽くした宇宙船がですか。それならあなた方の
ほうが随分文明は高い。あの図々しいお願いかもしれませんが
どうか我々にご指導してくれませんか」
「いいですよ」
「えっ。そうですかありがとうございます」
あまりにすぐに返答したので男はびっくりした。
「別に感謝されることでもありませんよ。我々はあなた方の星に
いけませんから、あなた方のほうから来てください。何人
来られても結構ですよ。」
隊長は試しにいろいろなことを頼んでみたが全て快諾してくれた。
隊長は本当にこの惑星の住人は素晴らしいなと思った。一方
その惑星の最高指導者はこう思っていた。全くこいつらは
次から次へと願い事ばかり言いやがって。本当にこいつらは
強欲な来訪者だ。まあいいだろう。なぜならこの惑星はあと
数年で消滅してしまうからだ。原因は分かっているが解決策は
見つからない。どうせ死ぬのならばこいつらの惑星の優秀な
人材を一人でも多く巻き添えにしたほうがいい。

       

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