Neetel Inside ニートノベル
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物憂いプロトコル
別れ、成長、シンプル

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 私の足の親指の爪の先端は2008年に私の元を去り、私の足の人差し指の爪の先端は2009年に私の元を去った、ということになるな、と私は爪を切りながら考えた。
そして、よく分からないが大学の事情でタイに居て、まだ年越しを迎えていないはずの兄のことを考えた。
兄がタイに居る間に割ってしまった兄の小さな鏡については少し悩んだが、結局、地震で割れてしまったように見せかけたりせず素直に謝ることにして机の引き出しにしまってある。
その判断は兄がタイに出発する前の私には想像もつかなかったであろうものだから、兄は逆に怪しむかもしれない。
でも私はこうしてシンプルな判断が出来るように成長してとても嬉しい。
こうしてどんどんシンプルになっていけばいい、と私は願う。
そして私は幼稚園の頃を思い出して、そのことを考えた。

       

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Neetsha