Neetel Inside ニートノベル
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 蛍子は友達が多く、私はどちらかというと友達が少ないことで有名だった。
私は蛍子と学校以外のところで会ったことがないし、連絡先も知らないし、どこに住んでるかも知らなかった。
でも私は蛍子が初めて人を殴った時のことを知ってるし、蛍子の携帯の待ち受け画面が人に慣れた野良犬の「ニオブ」の写真であることを知ってる。
そして、蛍子が昼休みに校舎を散歩する時のパートナーはいつも私だった。

 
 予鈴が鳴り、私達の足は教室へと向き、私の手は教室の扉を開いた。
教室の空気は、暖房の効き過ぎで、まるで蛾の羽根のように乾いていた。

       

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Neetsha