「大丈夫?」
「……うん」
もう限界だろう。柊さんの腕は痛々しいほどに腫れていた。
「はやく保健室に行こう……骨折してるかもしれない」
タクヤは柊さんの肩を持って立ち上がった。そして審判であるジャージ男に告げる。
「この試合はもういいだろ。6対2で1-2。お前たちの負けだ」
『この試合は終わる』
僕は最後に念のためのイマジンクリエイトを行う。
「くぅ……まさか、こんなところで」
そもそも何しに来たんだ? こいつら……。
小さい女の子が柊さんへ駆け寄ってきた。
「ごめんなさいは言いませんよ。次は一対一でお願いします」
まだやるつもりなのかよ。
小さい女の子は可愛さと驚異を持った体躯で一礼して去っていった。
「名前聞くの忘れちゃった……」
「白木って書いてあった、シャツとブルマに」
「よく見てるね」
まず全身なめ回すように見るのが僕なんだとは言えなかったが、笑ってごまかした。
あの子たちはもとから現実にいた人達なのか、自分が創り出してしまった人達なのか、
タクヤは複雑な気持ちでそれからイマジンクリエイトを発動させる気力も起こらずその日を終えた。