Neetel Inside 文芸新都
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 一年は当然365日。単純に一日2回やったとしよう。
 すると730回になるわけだが、ようはこれを倍数掛けして約70万にすればいいのだ。するとどうだろう。
 10年で7300回。100年でたったの7万3千回しかない。
 一日2回のペースでは仮に順番でいったとしても千年は必要になってしまう。
 これではそもそも美少女が生きていない。
 タクヤは改めて70万という数の多さに脱帽と歓喜、そして抑えきれない感情の高ぶりを感じるのだった。

 では、どうするのか?

 そのための研究施設である。地下は56階まである。最深はオリジナルの設備を含め地下3000メートル。
 正直ここまでいらないんじゃないかとタクヤは思ったが、バイオハザード資料集を見ていたらどうしてもこの研究施設がほしくなってしまったのだ。
 耐震構造、地熱発電。空調完備、衛星連絡システム。完璧な隔離空間に自爆装置まで。
 もちろん一長一短に想像できたわけではない。しかし、インターネットを介すると意外と簡単に出来た。
 ノートパソコンを片手に各部屋を1階ずつ造っていった作業はまさに大儀であった。

「タクヤ様、おはようございます」

 この研究施設建設には人工AIが最も活躍した。この世界の美少女をすべからく手に入れた暁にはこの人工AIが彼女たち一人一人の健康状態をサポートする意味合いが当初は強かったが今では多角面でサポートを行える存在だ。
 ホログラム化された人工AI「ナミ」がタクヤの横を歩く。
 このナミという人工AI、何を間違ったのかタクヤという男を全ての女性を統括する男の中の男という認識の下、
 やたらと絡んで来る。AIの知性が無駄に高すぎ、自我が目覚めたのだ。
「タクヤ様、紅茶でもいかがですか? お疲れではありませんか」
「うん、大丈夫。それより今日も採取を頼むよ」
「かしこまりました」
 人工AIナミはただのホログラムではない。
 人類史上初の物体に触れる、干渉できるホログラムを越えた技術が使用されている。具体的にはただの人とほとんど一緒だ。
 もちろん、妄想だが……。どうということはない、不具合がある度に適切な追加妄想で補っていった。
 古今東西、森羅万象ゼロから創り出すものに副次的要素など生まれない。

「ん、はあ――」
 ナミは甘い息を吐くと僕の逸物をくわえ込んで舐め回す。
「んぅ――ん」
 一見何でもありに見えるが、ナミはもうタクヤの力で消すことは出来ない。
 施設を爆破しても恐らく、チップだけでターミネーターのごとく復活すること請け合いだ。

       

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