Neetel Inside 文芸新都
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 もっとも根本的な問題、『何故こんなに女性だらけなのか』という問題には誰も気がついていない。
 その点においては全てがイレギュラーであるとも言える。
 逆に男が珍しいということについては感知できるらしい。これは大きなヒントかもしれない。

 午前中は斯くして転入手続きが主になった。
 当然のことながら昼休みの学食は女子一色となるだろう。
 タクヤはそんな夢のシチュエーションを頭の中で描きながら、
 午後からの転入生歓迎の言葉を送る準備に奔走していた。

「本日はお日柄もよく――」
「だめですね。ここは公立なんですから」
 全然だめではないと思うのだが、朝陽さんは気に入らないのかタクヤの文章にケチをつける。
「もっとこう、ラフにいかないとだめです」
「砕けてってことか?」
 今やこの生徒会室には会計も議長も書記もいない。みんな男だったせいだ。そしてそれを埋めるための副次顕現は起こっていない。
 つまり、副会長と僕を除いては再選挙――。
 よし、出来た。朝陽さんが手元の用紙を引ったくり黙読する。

「――ま、いいんじゃないでしょうか」
 な、何様なのだろうか。この副会長は。
 廊下に出ると驚いたことにスーツを着た美少女がいた。
 学園の教師達は様々な雑用を執り行っているため、歓迎の集会などに構っている暇はないようだ。
「あ、丁度いいところに。これ転入生の書類なんだけど、生徒会室にしまっておいてもらえる?
 今ちょっと職員室の方は目一杯なの」
「は、はい――?」
「……」
「それじゃ、頼んだわよ~」
 軽快に手を振って去る美少女。教師だったのだろうか。
「どういうこと……?」
 朝陽さんが突然頭を抱えてしゃがみ込む。
「朝陽さん?」
「おかしい……、先生はあんなに若くない……」

 ついに能力者とは違う矛盾(イレギュラー)が露呈したと確信する。
 朝陽さんは『イマジンクリエイトの力』と『現実の概念』との板挟みになったのだ。

       

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