Neetel Inside 文芸新都
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 かくして、三人は性転換――ではなく、謎の性反転が起きた事実を受け止めようと努力した。
 唯一変わりようが少ないのはナミだった。いつもの制服、スカート姿になっても全然わからない。
 立派な女の子の姿だ。
「タマゴが豆腐のように潰れてしまうんですが……」
「お前のどこにそんな力が?」
 結衣の方はよほどショックだったのか、良い具合に美男子化した体を持て余しているようだ。
「私、地下で永眠します――」
「待て、服を交換してから永眠してくれ」
「っはいはい、上げますよ! どうせ着れないし!」
 その時、結衣のスカートが破れた。
「アーッ!」
 ぽこりと女の下着に膨らみが見える。
「――死にたいと思ったのはこれで二回目……」

 状況が全く飲み込めないまま、殻だらけの目玉焼きを朝食に据えて考察を始めた。
「ナミ、この現状をどう見てる」
「衛星とのコンタクトが取れません。恐らくは最悪の事態です」
「どう最悪なの?」
 結衣は一度に食べられる量が増えたのを良いことに目玉焼きをそのまま口に入れてじゃりじゃりと租借する。
「サテライトに接続できないということは私がただの人間になっているのと同義で、
 さらにはこの世界そのものが現実とは切り離された世界である可能性を示唆しているんです」
「結衣、昨日の出来事を覚えているか?」
「曖昧かも……」

 何かがすっぽりと抜け落ちた感覚。それは三人にとって共通する『穴』だった。
「だいたい、ある日突然性転換してるなんて、話しが可笑しすぎる。何がなんだが……」
 三人は途方に暮れた。
 ところが、ニュースはそれに反転した方向に進んでいた。
『今日から一斉に入学式です。御剣市は今年も男子学生ばかりなので、力強い催しが期待できそうです――』
「え?」
「……状況はもっと深刻なようですね」
 三人は呆けた顔でテレビを見つめた。

       

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