Neetel Inside 文芸新都
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「へ? やだな、そんなこと神様にでも聞いてよ~。それよりさぁ、150円おごってくれない?」
 タクヤは会話を続けるために必死にポケットをまさぐった。
 しかし、スカートになったタクヤのズボンに財布は収まらない。
「悪い、今日は始業式だけだし、財布は持ってきていないんだ。ナミならもってると思うから……」
 そう言ってナミの席へ目をやると彼女はいなかった。
「いいよ、いいよぉ。他の人におごってもらうからサ」
 萌々子はそう言って男子学生の一人へと向かっていった。
「ねえねえ、150円おごってよ~」
「ああ、いいぜ」
 二人は二、三言葉を交わして廊下へと出て行った。
 そうだ。萌々子が女だとすれば、他にも女がいるかもしれない。
 俺は後先考えず、教室を見て回ることにした。いざとなればイマジンクリエイトがあると信じて――。

 誤算だった。と言えば響きは良いだろう。
 しかし、それは誤算でもなんでもなく、ただの油断だった。
 結論からいうと、イマジンクリエイトは使えない。もう叫んでみても使えなかった。
 そして現状からいうと、校舎裏で亀甲縛りプラス手錠縛り。笑えない。全然笑えない。
「ふへへへ」
 何でこんなことになったのか。それは粗末な問題だろう。要は節操なしなのは俺だけじゃないってことだ。
「タクヤなんてそそる名前じゃねえかあ」
 その価値判断には同意しかねる。
 というか、女の名前ですらないぞ?

「こんな誘ってる体しておいて、こいつ校舎裏にいたんすよ?
 もう犯ってくださいって言ってるようなもんですよ」
 そうだそうだと男達は笑い合った。
「ま、まあ待てよ。百歩譲って犯って下さいだったとしよう。だが、俺がしたいのは一人だけだ」
 というのも、もはやただの建前なのだが……。
「はぁ? 何言っちゃってんのコイツ。しかも女の癖に『俺』ってさあ」
「もし、その一人をお前ら全員でよってたかって倒せたら俺はお前らの玩具でも何にでもなってやるよ。
 性器具として扱えばいいさ。約束する。あいつを倒したら俺を獣のように犯し尽くしていいよ」

       

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