あっさりと答えるが、結衣の目は真剣だった。
「そうか、それじゃあこれからについてだけどな……」
――三分後。
「「えぇ――!」」
「本気ですか」
「本気だよ☆」
それは初めに仕掛ける対象がリンクポトン、二十万の勢力を持つ連合軍さながらの組織だったからだ。
「いきなりラスボスに挑むようなもんじゃないか。何でっ」
「何でって、さっきも言ったよ」
「今の現状でリンクポトン以外に叩きやすい組織があるか?
アンサー、ない。二十万とはいえ、頭を潰せば組織は壊滅するか?
アンサー、する。今の段階で手の内を知っているのは?
アンサー、リンクポトン」
つまり――、といいかけたところでタクヤが静止させる。
「勝算は?」
「百」
笑うしかなかった。
確かに性転換までしてしまう糞親父だが、
頭だけはこの力を作っただけあって相当のキレ者だ。親父が百といえば絶対に違いない。
「ナミはどうだ」
「今までの戦闘経験からするとタクヤの性欲が消えない限りは百には出来ません」
「……」
面白いことをいう……。
タクヤは後でナミに折檻することを決めた。
「亜夕花、作戦も当然用意してあるんだろうな」
「もちろん。ぬかりないよ」
――――。
御剣市の中心都市にリンクポトン社はあった。
流れゆく人と交通の波を見下げて、社長令嬢、
水無瀬鏡華はその白磁の肌に浮く、朱色の唇を振るわせた。
「私がこの街をもとの姿に戻して見せます。みつき、鈴音」
「「はい」」
彼女に呼ばれた二人は凜とした装束を身に纏いながら応えた。
「タクヤの側近、ナミという女を何としてもこちらに引き入れるのです。
そうすれば、少なくとも勝率は確実に上がります」