Neetel Inside 文芸新都
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『柊みつき抹殺しますか――Y/N』
 Y.
 選択、ABCD………。
 鋭利につきたてられた空間の一角が鋼よりも高度を帯び、天に昇る爆風が一帯の雲をかき消した。
 バシュ――。
 一人の人間がその場から消えるのに、たったそれだけの音しかしなかった。
 感情を持たない自立兵器こそ始末の悪いものはない。
 ナミの下した判断は、みつきが能力保有者であるが故の粉砕からなる安全な処分だった。
 威力は肉体をミリ単位での飛散に設定したにも関わらず、
 実際には数十センチの肉片となって周囲に砕け飛んだ。
 サテライトからの科学的な攻撃が故にナミへの被害も決して少なくはなかったが、
 そんなことは問題としていないのが、ナミの現状だった。
『驚異の検索――』
『周囲の検索――』
『地形の検索――』
 …………。
 ………………。

 千尋の死んだ魚の目に光がもどったのはそんな時だった。
 何やら赤い飛沫が降ってきたのだが、それは恐らくもう一人のタクヤの方だと考えていた。
「ナミ!」
 千尋はまるで迷子が母親を見つけた時に見せる顔で、その鬼の形相を見た。
「ナミ……?」
 そこにいるタクヤは厳密にはタクヤではない。ただ、この場ですべきことと、
 タクヤがまだ能力を得る前までの記憶を持ったタクヤだった。
「ころ…す……」
「うっ、出る――」
 血に濡れたナミの顔が、タクヤに処女を貫いた時の千尋を思い出させ、絶頂が高まる。
 それは三度目くらいの絶頂で、タクヤは千尋の狭かった肉壁を押し広げるように突き込んで射精した。
「い、ゃ……」
 ごりゅっとした異物が尿道を通っていくのがわかった。
 千尋の顔は慣れない感覚に顔を歪ませて耐え凌ぐ。
 ナミはそんな二人の姿を見て、溜めていた攻撃を不完全なまま振り下ろしてしまった。

       

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