Neetel Inside 文芸新都
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 もちろんその視線は僕に集まる。
 そして忘れていたのが、僕ら三人は休学扱いであったということだ。
 六月の始め、僕たちの噂は少なからず立っていたようだった……。
 職員室から教室へ行くと、既に授業は始まっており、特に取り立てて注目されはしなかった。
 しかし、ここにイレギュラーな存在がいた。
「この問題を……んん? ナミくん? そういえばさっきからずっとそっちを見ているね。
 そっちを見たいのならこの問題を解きなさい」
 ナミは一度も黒板を見ていない。
 振り返ると、ナミの視線は僕の背中にあった。
 問題とは、先ほど先生が授業の終わりに余興として出題したものだ。つまりは意地の悪い難問である。

       

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