Neetel Inside ニートノベル
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① 一般家庭の朝

「あぁ 今日もきたか・・」

外は まだ厳しい寒さ
そう季節は2月

布団から出るには 少しばかり時間がかかる 一般的な冬の朝
「・・・あと 4日か・・」
「稔 早く起きれ!!」と毎朝恒例となった人間拡声器攻撃
TVの騒音とともに雑音がいまだ完全覚醒しない脳
耳に入ってきた
訛り持ちの母親 里美の声 
容姿からは見て 大きな声でしゃべる感じがしない細身の体
顔やらは普通の主婦、、
なのに 声は・・なんなの?
「うるせ~・・行きたくね・・」
心の中で呟きながら 渋々 起きる準備 体と心にスイッチ入れ~
いや 入れようとしても 体が脳が拒否
一向に起きない稔に対し 5分 10分と同じことが繰り返される
そんな どこにでもあるような 毎朝の攻防が繰り広げられる
 子供の居る一般的な家庭の朝
時間逆算から 最終タイムリミットが迫る
とうとう ごうを煮やした里美の強行作戦
布団剥ぎを実行
もちろん 唯では起こされるわけも無く 里美の怒り口調の怒拡声のおまけ付きである

寒風一発 暖められた体に 容赦無く 冬の空気が体に降りた

「・・・窓も全開かよ!?ひでー事しやがる!!」
とは 口には出さなかったが 目で訴える

「いい加減にしろ おきねーと遅刻すっど!!!」


もっさり 起きた  中村 稔(15)の顔に生気は無い

一般家庭の大半は朝食を取る(らしい)

学校やらTV 一般常識的行事は剛一家には無シング
もちろん お決まりの走りながらパンなどもナッシング

朝食を食べてないから生気がないわけでもない
寝不足で体がおかしくなったわけでもない
今日は11日だから 先生に当てられる

「・・・・これは あるかも?」
とか思いつつ とりあえず朝の行事をすます

歯磨き 洗顔 一連の作業をもったりもっさり行い 着替える

学校までは徒歩ゆっくり歩いて約15分

時間は7時15 いや16分になるところとTVの時間表示で確認
朝の1分は貴重 
再度持ち物を再確認
と言うより 準備もしてない。
今日は6時限
 国 数 体 体 英 社
と簡易表を見ながらの教材 ノートの確認
そして
あの黒い石 をカバンに入れてながらの確認 

時間はもう20分になっていた。

ため息ひとつ
無言で自宅を出る
中村家に「行ってきます」と言う習慣はない

「はぁ~ 行くか・・」
溜息2発目 稔の憂鬱な日々の始まりである。



時刻は23分 
カバンから 例の物をガサゴソ 手探りで捜す

ほとんど無意識に 先ほど閉まったと言うより ただ放り入れた黒石を探し当てる

「なんなんだよ この石は?」

黒い物体に目をやりながら
少し急がないと遅刻の危機のようだと早歩き

早歩きしながら いつもより10分遅れの町の喧騒を味わう

生徒らしき人影は少なく 会社に向かうサラリーマンやら家の前を掃除している名も知れぬ方々
 なにか
いつもと違う朝?のような 一瞬 眩暈。

「?・・なに?」とは思ったが
「立ちくらみ?」
一瞬過ぎて 良くわからんと言うのが 本音であり 違和感はない

携帯をフリップを開き 時間確認

「やばい 少し走るか・・」
違和感は
 ただ単に通学路に 学校に向かう制服姿 が無いだけ
「俺 重症かも・・登校拒否・・か・・・」
気だるさと憂鬱感は学校に近づくにつれ 増増

時間28分
残り3分



「授業は8時からだが HRは7時45分からで
 少なくとも10分 いや5分には席に着かなくては!!」

いつの間にか 登校拒否気味から遅刻だけはしないモードに変換されていた

大急ぎで階段を上り 下駄箱へ
下駄箱は3年 2年は2F 1年は1Fにある
教室は 3F 所要時間1分半 ダッシュで30秒

ギリ29分に教室に 
3-Dに到着

「おはよう!!」
「よう!!」
「おせーよ!!」
そんな 友達の掛け合いが耳に入る

席に着き 息の乱れが気になりつつ 席に着き 一時の安堵につく。
どうやら まだ教師は着てない
まだ席にも着かず 周りのグループで談笑している 各グループ

「あと10分くらいなら余裕があるのでトイレ行った方良いか?」
とかも思ったが ここまで少し急いできたせいか便意は無い

ちゃっちゃっと机に教材を放り込み 1時限目の準備を整えつつ
 息も整え
いつものパターンに入る

机に肘付き 顎に手

別に つまらない話を聞いてるわけではない
第一 これから話の中心になるであろう 担任も着ていない
もちろん 周りの友達の面白くない話を聞いてる素振りでもない



「んだよ 早く担任 来いよ・・」

寝ぼけ眼から般若に変わる一瞬である

もちろん ここまで早歩きしてきたので 起きた頃の寝ぼけ顔では無いのだが・・
学ランの内ポケから黒石を出し 机に置く 
こう見ると ペーパーストーンっぽい
一転集中 黒い物体を睨みつつ 時間が来ることを待つ

中村 稔(15)
3-C
出席番号11番 
2月14日生まれ 
血液 O型RH+


友達“0”


そう 中村 稔には友達が居なかった


       

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